- 2021-12-16
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- H3X, HPDM-250, インバーター, ボーイング737型旅客機, モーター, 短距離路線用電動航空機, 米エネルギー高等研究計画局(ARPA-E), 都市航空モビリティ, 電動ボート, 電動垂直離着陸機(eVTOL), 電動航空機
![](https://engineer.fabcross.jp/wp-content/uploads/2021/12/211210_HPDM-250.png)
アメリカのスタートアップH3Xは、航空機の電動化を可能にするモーター「HPDM-250」を開発している。H3Xは電動航空機に搭載する推進システム開発を目的に設立され、電動航空機の商用化を目指している。
同社によると、現行の最高クラスのモーターとインバーターが生み出す出力密度は3~4kW/kgだが、米エネルギー高等研究計画局(ARPA-E)はボーイング737型旅客機が5時間飛行するには、継続的に12kW/kg以上出力する推進システムが必要だと見積もっているという。
HPDM-250はARPA-Eの要求水準を上回る13kW/kgを継続的に出力し、電動航空機の商用化を阻んできた壁を打ち破ろうとしている。ステーターコイル「AMcoils」を開発して付加製造(AM)で作製するなどし、電動モーター、インバーター、ギヤボックスを1つの筐体に収めることに成功した。こうしたイノベーションにより、HPDM-250は重さ15kg、外観寸法207×235mmとコンパクトでありながら最高出力250kWを誇る強力なモーターとなっている。
同社は、HPDM-250を短期的には電動垂直離着陸機(eVTOL)など都市航空モビリティや電動ボートなどに、長期的には1000マイル(約1600km)以下の短距離路線用電動航空機などに活用できるとしている。