スイスの企業がチェルノブイリの大幅な放射能レベルの低減に成功と主張

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NSPSデバイス埋設後1年で、土壌における放射能汚染レベルを平均で37%低下させることに成功した。

スイス籍の土壌環境関連企業Exlterraとウクライナ国営機関SSE Ecocentreは、チェルノブイリ原発事故の立入禁止区域において、Exlterraが開発したNSPS(Nucleus Separation Passive System)技術を活用し、導入後1年で土壌および大気における放射能汚染レベルを平均で各々37%および46%低下させることに成功した、と発表した。汚染した土壌の除去や有害な化学物質を使うことなく、素粒子および核物理の概念に基づいて放射能レベルを低減させる技術だとして、数万年単位の期間を要すると考えられている完全な放射能汚染除去を、今後4年以内に達成できると主張している。

チェルノブイリ原子力発電所では1986年4月に爆発事故が発生し、大量の放射性物質が放出された。原子炉は、石棺と呼ばれるコンクリート製建造物で覆われた後、2019年には石棺を外側から覆う巨大シェルターも設置されるなど、放射性物質の飛散を防ぐための対策が続き、現在でも原発から30キロ以内の区域は立ち入りが禁止されている。

水はけの悪い土地での地盤改良システムや、富栄養化を目的とした土地改良技術などを手掛けるExlterraは、素粒子および核物理の概念を利用して、放射性物質の放射能レベルを低下させる「NSPS技術」を開発した。技術の詳細は不明な点が多いが、長さが2.8mから16.5mのポリエチレン製の特殊形状チューブを中心として構成される管状デバイスを、地中に鉛直方向に一定間隔で多数埋設するというものだ。この中に放射性同位元素から発生する高速ポジトロン(陽電子)を集めることで自然に更に加速し、地表近傍の土壌中の放射性同位元素の核に集中的に衝突させることで、放射性核種の崩壊を加速させ、放射能レベルを弱められる、と同社は説明する。

同社は2019年、立入禁止区域の放射能および環境の監視を任務とするSSE Ecocentreと、実証実験に関する協定を締結、2020年9月に立入禁止区域内の1haの土地に約5000本のNSPSチューブを埋設した。埋設後1年を経過した2021年9月に、地上から5cmおよび1mの深さにおける土壌、および大気中の放射能レベルを測定したところ、土壌中の137Cs、90Sr、241Amから発生する放射能レベル(Bq/Kg)は、1年前と比べ各々35%、34%、70%低下していた。また、大気中の最大平均EDR等価線量率は、2019年の0.4μSv/hから、2021年には0.25μSv/hに低下していた。この結果から、数万年単位の期間を要すると考えられている土壌および大気の完全な原状回復が、今後4年間で実現できると主張している。

「NSPSは化学物質や土壌交換に頼ることなく、放射能汚染を解決できる。海洋放出が検討されている福島原発の放射性処理水にも適用可能だ」としているが、主張通りであれば核物理の定説を塗り替えるものとなる。今後、NSPSの汚染除去の詳細なメカニズムや、取得データの普遍性に関して、詳細な検証と評価が必要だろう。

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Official results show that Exlterra’s revolutionary technology can neutralize radioactivity from Chernobyl

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