クリーンで持続可能、効率的な再生可能エネルギーで運用される社会を目指すH2 Clipperは、飛行機の4分の1のコストで貨物輸送が可能な、水素燃料飛行船「H2 Clipper」の実用化に取り組んでいる。
飛行船はかつて航空輸送手段として活躍したものの、20世紀前半に起こったいくつかの事故のために、現在では広告や観測手段などその用途は限定的だ。
同社は、安全、速度、効率性という過去に成し得なかった目標を達成するため、H2 Clipperには、より丈夫で軽量の材料、量産技術、3Dプリンティング、コンピュータによるシミュレーションや制御といった最新の技術を取り入れた。
H2 Clipperの巡航速度は時速280km、航続距離は9656km、最大積載量は15万kg、貨物スペースは7530立方メートル。貨物船の4~5倍のスピードと貨物機の4分の1のコストで工場から直接輸送可能だとしている。水素自体も、例えばハワイやオーストラリアなど、地熱や風力を利用して安く製造できる地域から、日本などクリーンエネルギーを必要とする地域へ直接輸送できる。
また、高高度で長時間ホバリングできるため、災害地域やスポーツイベントにおいて一時的な基地局としても利用できる。さらに、垂直離着陸が可能なので、混雑した港や空港、またはインフラが整っていない場所の輸送手段としても活用できる。