ヤマハは2022年5月30日、住友商事パワー&モビリティと共同で、自動車排気ガスの熱エネルギーから発電する排熱発電ユニットが、車両におけるCO2排出量削減に対して有効であることを実証したと発表した。
熱電発電(TEG)は従来から環境技術として注目され、自動車分野でもCO2削減可能な技術として開発が進められてきた。しかしこれまでTEGモジュールの性能、信頼性不足や、車両搭載時のシステムの検討不足などにより実用化には至っていなかった。
今回の実証試験では、両社が2021年から展開するTEGモジュール「YGPX024」を4個使用した排熱発電ユニットを構成。TEGモジュールと排気ガス用、および冷却水用の熱交換器をサンドイッチ状に積層した構造を採用した。
排熱発電ユニットは触媒下流の排気管に設置。同時にエンジン冷却水を同ユニットまで分岐/延長して接続している。電気系統は、同モジュールが発電した電力を降圧コンバーター経由でバッテリーへ回生する回路を、既存のオルタネーターと並列で接続。発電電力を直接バッテリーへ供給できるようにした。
試験は、台上で電力回生量とCO2排出量を測定。欧州WLTPモード走行時で実測1.9%(3.9g/km)のCO2排出量を削減することが実証された。さらに、発電ユニットの車両搭載位置を最適化することで、最大3.1%(6.4g/km)までCO2の削減効果が得られる可能性があるという。