独自の円筒形ローターを搭載――宅配ドローンコンセプトを発表 ヤマトホールディングス

ヤマトホールディングスはオーストリアのCycloTechと共同で、独自の円筒形ローターで推進し、横風にも強い小型の貨物輸送用ドローンコンセプトを、2022年4月12日に発表した。都市の空中ロジスティクスに高い付加価値を作り出すとしている。

新しいドローンは、CycloTechの360度推力変更システム「CycloRotor」と、ヤマトホールディングスの貨物ユニット「PUPA(Pod Unit for Parcel Air-transportation:ピューパ)701」を組み合わせた、無人のeVTOLだ。

CycloRotorは、船舶の推進装置としても使われる「フォイト・シュナイダープロペラ」と同じ原理に基づく。コンパクトな設計でありながら瞬時に偏向推力を生み、垂直離陸から水平飛行への自然な推移と高い機動性を実現する。このCycloRotorを6つ搭載することで、冗長性と安全性を確保し、秒速18mの横風が吹いていても安定して離着陸や飛行ができる。また、機体などを傾けることなく瞬時に推力の方向と強度を変えられるため、ホバリングから前進飛行への移行もスムーズだとしている。

フットプリントは2.7×2.5mとコンパクトで、ペイロードは45kg、航続距離は40km。風が強い場合も、目標地点の直径5m以内に着陸できるという。貨物の積み下ろしやバッテリーの交換も簡単で、地上での作業時間を短縮し、効率的なラストワンマイルの物流サービスを可能にする。

同コンセプトは、「強風下でも狭い土地に正確に着陸できる中型eVTOL航空機の成立性に関する共同研究」によるもので、今回、CycloRotorsの有効性と実用性を理論上証明したとして、研究成果を「CycloRotors for Advanced Aerial Logistics」にまとめて公開している。

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