さまざまな路面状態に対応可能なオールシーズンタイヤ「SYNCHRO WEATHER」を発売へ 住友ゴム工業

住友ゴム工業は2024年7月22日、ウェットやドライ、雪上、氷上とさまざまな路面状態に対応可能なオールシーズンタイヤ「SYNCHRO WEATHER(シンクロウェザー)」を、同年10月1日より販売開始すると発表した。

同製品では、水や温度に反応し、路面状態に応じてゴムの性質が自ら変化する同社の技術「アクティブトレッド」を初めて採用。サマータイヤとスタッドレスタイヤ双方の性能を両立しており、夏と冬の両方で使用可能となっている。

アクティブトレッドは、路面状態の変化に反応する2つの「スイッチ」をゴム内に組み込んだものだ。

「水スイッチ」では、ゴム内のポリマー間の結合の一部を、共有結合から水で脱着可能なイオン結合に置き換えた。水に触れると同機構が働き、ゴム表面が柔らかくなることで、濡れた路面でのグリップ性能が向上する。

乾燥すると、ポリマー同士が再結合してゴムの剛性が復活。元のスタンダードサマータイヤと同レベルの剛性に戻る。

「水スイッチ」の性能イメージ

また、「温度スイッチ」では、ゴム内のグリップ成分の一部をポリマーから切り離しても機能する材料に置き換えた。低温になると同機構が働き、氷上路面でも柔らかくグリップする。一方で、常温ではスタンダードサマータイヤと同レベルの剛性感を保つ。

高速道路冬用タイヤ規制でも走行可能な「スノーフレークマーク」や、国連規定で定められた氷上性能の基準を満たすことを示す「アイスグリップシンボル」を取得した。

「温度スイッチ」の性能イメージ

加えて、タイヤ表面のパターンデザイン向けに、V字溝設計を新たに開発した。低ノイズと高い排水性および排雪性を両立する。

形状の異なる2種類のブロックをデザインし、周上の配列をランダムかつ最適な並び方とした。タイヤから発生する周波数が制御可能となっており、スタンダードサマータイヤと同レベルの静粛性能に達している。

さらに、摩耗予測シミュレーションを活用することで、耐摩耗性能もスタンダードサマータイヤと同レベルに向上した。溝の深さや角度、サイプ(タイヤ表面に刻まれる細かい溝)などを最適化し、接地面全体を均一にして摩耗量を低減している。

初期販売では40サイズをラインアップに揃えており、メーカー希望小売価格は1万9500〜6万3300円(税別)。さらに、順次22インチまで合計100サイズ以上を展開する予定としている。

関連情報

あらゆる路面にシンクロする次世代オールシーズンタイヤを新発売~水や温度に反応し路面状態に合わせてゴム自ら性質が変化する新技術「アクティブトレッド」搭載第一弾商品~ | 住友ゴム工業

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