モード多重伝送における光強度差を柔軟に補償する光デバイスを開発 NTTと北大

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NTTは2022年6月27日、異なるモードの信号光間で、伝送時の減衰量および増幅器中の増幅効率が異なるために発生する光の強度差を可変的に補償する小型光デバイスを、北海道大学と共同で開発したと発表した。

1本の光ファイバーで複数モードを伝搬するモード多重伝送は、将来の大容量光伝送を実現するための技術候補として期待されている。しかしこの方法では、光ファイバー内での減衰量や光増幅器での増幅効率がモード間でわずかに異なるため、長距離伝送した際にはモード間の光強度差が増大してしまう。これが受信装置内の電気信号処理を複雑化してしまい、伝送可能距離を制限していた。

モード多重光伝送路における光強度偏差の発生要因と信号処理との関係

今回両者は、NTTが実用化した小型の平面光波回路(PLC:Planar Lightwave Circuit)内で、特定モードの光強度を選択的に減衰させることで、モード間の光強度差を、±0.5dB以下に補償することに成功した。NTTによると世界初となる。

開発したデバイスは、主導波路と遅延線導波路の2本の導波路が、2箇所にある2台の光分岐結合回路で結合した構造を持つ。

光強度の異なる2種類の信号光のうち、強度の高い信号光の50%が、1つ目の光分岐結合回路で主導波路から遅延線導波路に分岐。一旦分岐した遅延線導波路の信号光は2つ目の光分岐結合回路で主導波路に再結合するが、遅延線導波路の屈折率をヒーターで変化させることで信号光を減衰させ、再結合する際の結合量を制御できる。

主導波路から遅延線導波路に分岐する際に、光分岐結合回路の結合長と導波路同士の間隔を調整することで、分岐させる信号光を選択することができる。これにより光強度の高い信号光のみを任意に減衰させることができる。

50~170mWのヒーター電力で減衰量を最大2.3dBまで可変でき、光伝送路中の減衰量の偏差は1kmあたりで0.01dB以下と考えられているため、1台のデバイスで200kmを超える光強度差を補償できる。

また、光増幅器内の増幅効率差を評価したところ、当該デバイスを用いない場合は最大3dBまで増幅効率差が生じるのに比べて、同デバイスを用いた場合は±0.5dB以下に低減できていることが分かった。

今回の研究成果は、同社が提唱する将来的なコミュニケーション基盤「IOWN」構想がめざしている、1ペタ超の大容量光伝送基盤実現のための要素技術の1つとして期待されるという。

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