ショットグラスのウイスキーの真贋を保証――食べられるQRコードタグを開発

Purdue University photo/John Underwood

アメリカのパデュー大学と韓国の国立農業科学院の研究チームは、ウイスキーや液状医薬品の容器に入れることができる、QRコード付きの可食性タグを開発した。タグは特殊な絹でできており、消費者はスマートフォンのアプリでコードの情報を読み取り、液体が本物かどうかを確認できる。研究成果は『ACS Central Science』誌に、2022年4月13日付で公開されている。

この可食性タグは、特別なカイコが作る蛍光性の繭から採取したバイオポリマーを使用して作製する。一般的なQRコードやバーコードと同じように、デジタル情報をパターン化することで、肉眼では読み取れない形で情報を表現、保存する。タグの成分であるタンパク質はアルコールにより耐久性が増し、長期間形が崩れないので、ウイスキーなどのアルコール飲料やアルコールが含まれる液状医薬品に対して長期間利用できる。

バイオポリマーはシルクフィブロインなど3種類のタンパク質でできており、タグは食べられる。そのため、ウイスキーや医薬品とともに飲み込んでしまっても問題はない。また、ウイスキーなど飲料の味に影響を与えることもないという。

研究チームは、さまざまな銘柄と価格帯のウイスキーにタグを入れて、10カ月間にわたり継続してスマートフォンのアプリでコードを読み取れることを確認した。

ウイスキーなど蒸留酒の偽造は多く、イギリスでは成人の18%が偽物のアルコール飲料を購入した経験があるとも言われている。また、医薬品の偽造品も世界中で問題となっており、死亡例も多数ある。

研究チームは、このQRコード付きのタグをアルコール飲料や液状医薬品に入れたり、錠剤に取り入れたりすることで、偽造対策や安全性の認証機能に役立つ可能性があるとしている。

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