ポータブルタイプのインバータパルス発生器を新開発 日新パルス電子

日新電機は2022年7月21日、グループ会社の日新パルス電子がポータブルタイプのインバータパルス発生器を開発したと発表した。電気自動車(EV)のモーター配線材料(マグネットワイヤ)などの絶縁評価試験に使用される装置で、従来の装置に比べて6分の1の大きさ。手軽に絶縁評価試験ができるようになり、EV技術の開発推進に寄与する。

同社は「手軽に絶縁評価試験を行いたい」というニーズに応えるため、ポータブルタイプのインバータパルス発生器「PG-W03K-PORT」を開発。電源供給(AC100V 5A)もコンセントプラグから手軽にできるため、外部に持ち出せない開発製品などを移動させずに検証評価することが可能になる。

PG-W03K-PORTは、操作/電源ユニット(480×300×535mm、22kg)と波形発生ユニット(480×200×535mm、33kg)からなり、小型化によって価格も抑えられるという。

EVはモーターをインバータ駆動することで動力を得るが、インバータのスイッチをON/OFFするときに、瞬間的に過大電圧であるサージ電圧(インバータサージ)が発生する。これによって、モーター内部で部分放電が生じ、故障の要因となる。

一方、EVの開発が進む中で、急速充電や高出力、高効率化のため、バッテリー電圧は高電圧化の傾向にあり、故障を防ぐためにデバイスやモーターの絶縁耐力が必要とされている。そこで、EVの開発ではインバータサージを模擬した電圧波形(インバータサージ波形)を発生できるインバータパルス発生器を使った絶縁評価試験が不可欠となっている。

しかし、これまでのインバータパルス発生器は質量約210kgと重く、サイズも大きいため、簡単に装置を移動させられず、試験場所が限定されてしまうという課題が開発の背景にある。

同社では、CO2の排出量削減策として期待されるEVの世界的な普及拡大に役立つ製品開発を通じて、脱炭素社会の実現に貢献していくとしている。

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