世界初の232層NANDの量産を開始――最高水準の性能とウエハー密度 米マイクロン

米マイクロンテクノロジーは2022年7月27日、世界初となる232層NANDの量産を開始したと発表した。業界最高水準の面密度を備え、同社の従来世代のNANDに比べ大容量化すると同時に、消費電力効率も向上している。

同社の232層NANDは、初めて200層を超える積層数を達成。人工知能(AI)、機械学習、非構造化データベース、リアルタイム分析、クラウドコンピューティングなど、データ中心ワークロードに求められる低レイテンシーと高スループットの要件を満たす業界最速のNAND I/O速度(2.4GB/s)を提供する。

同社の176層ノードで達成できる最高速のインターフェースのデータ転送に比べ50%高速で、前世代よりダイあたり書き込み帯域幅は最大100%、読み取り帯域幅は75%以上向上。このダイあたりの性能向上により、SSDと組み込みNANDソリューションの性能、消費電力効率が向上する。

232層NANDでは、世界初となる6プレーン動作のTLC(トリプルレベルセル)NANDを量産化。ダイあたりのプレーン数がTLCフラッシュの中で最も多く、各プレーンで独立して読み取れる。

高速I/O、読み取り/書き込みレイテンシー、マイクロンの6プレーンアーキテクチャーの組み合わせにより、さまざまなコンフィグレーションでクラス最高水準のデータ転送速度を提供。読み取り、書き込みコマンド間の輻輳をこの構造によって軽減しており、システムレベルのサービス品質を向上する。

データ転送のビットあたりの消費電力を従来のI/Oインターフェースと比べ30%以上低減する低電圧インターフェースのNV-LPDDR4に対応する最初の製品となる。インターフェースは、従来のコントローラーやシステムと後方互換性を持つ。

これまでで最も高密度となる14.6Gb/mm2というTLCを達成。面密度は、市場の競合他社のTLC製品に比べ35~100%向上している。11.5×13.5mmの新パッケージで出荷される232層NANDは、パッケージサイズが前世代の同社製品より28%小さく、最小サイズの高密度NANDとなっている。

同社のシンガポール工場で232層NANDを量産し、当面はコンポーネント、またはCrucial SSDコンシューマー製品ラインとして出荷する。追加の製品、提供時期は、今後発表される予定だ。

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