10月29日から開幕の「第44回東京モーターショー2015」で、見所の1つとなっているのが自動運転機能。日産自動車は「ニッサンIDSコンセプト」を掲げてコンセプトカーを出展しているが、自動運転機能を搭載するに当たり、ヒューマンマシンインターフェイス(HMI)も従来の枠組みから大きく変えようとしている。
同社はコンセプトカーで、自動運転中のパイロットドライブ(PD)モードと、ドライバーが自分で運転するマニュアルドライブ(MD)モードとで、HMIデザインをはっきりと切り替える設計を採用している。
PDモードではステアリングが姿を消して、インストルメントパネル中央に大型モニターが登場。4つの座席も少しだけ内側に回転して、乗員が同じ風景を共有してコミュニケーションを取りやすくなるように工夫した。
一方、MDモードになると、すべての座席が前方に向き、運転席にはステアリング、メーター、ヘッドアップディスプレイなどが出現。スムーズに走るための走行ライン、フィールドインフォメーションなどがヘッドアップディスプレイに表示される。
デンソー、三菱電機なども次世代のHMIを提案
次世代の自動車に向けたHMIを提案しているのは日産だけではない。デンソーも、自動車が把握した周辺情報をドライバーへ的確に伝えるためのHMIを考えた「ハーモニアス・コミュニケーション・コックピット」をメインで展示。高速道路における合流支援・車線変更支援や緊急時の退避支援など、さまざまな場面で人と自動車がコミュニケーションを取れる高度運転支援システムだとしている。
フロントガラス上に情報表示するヘッドアップディスプレイ、車線変更支援のために自動車の進行方向に傾いて知らせるアクティブフットレスト、障害物の接近などをインストルメントパネル上部のイルミネーションで伝えるハーモニアス・ルミ、後方の障害物を映像で知らせる電子ミラーなどを盛り込んだ。さらに、ドライバーの脇見・眠気などを監視して警告し、ドライバーの緊急事態を検知するドライバーステータスモニターといった機能も備える。
三菱電機も、運転支援系コンセプトカー「EMIRAI3 xDAS」で最新のHMI技術を披露。速度メーター部とセンターディスプレイ部に、複数の液晶パネルを貼り合わせたマルチボンディングディスプレイ、重ね書き可能な手書き入力で操作中の視線移動を低減した視線移動低減HMI、10m以上離れた位置を立体的に表示できる3D-HUD(スリーディーヘッドアップディスプレイ)、ドアの開閉などの車からの通知がウェアラブルデバイスの振動によってドライバーへ直感的に伝わる機能などを搭載している。
その他にも、富士通・富士通テンの共同出展ブースでは、富士通研究所が開発したドライバー向け視線検出技術などを採り入れ、ドライバーの注意力を判断して早めの警告をしたり、天候を予測して適切な経路を案内したりする体感コクピットを展示。各社がより安全・快適に運転できる次世代のHMIを提案している。
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