住友重機械工業は2022年8月8日、さまざまな形状の鉄鋼曲面を吸着走行できる新たなロボット機構を開発したと発表した。
船舶やプラント設備などの大型鉄鋼構造物の製造/保守現場では、一般的に構造物表面に磁力で吸着して移動するタイプのロボットが使用されている。これらのロボットは平面状の走行を前提に設計されており、特定の面形状や動作にしか対応できなかった。
今回、2つの回転軸によって回動可能な、磁石を内蔵した中空の球状車輪を新たに考案。これを用いることで、従来型のロボットでは難しかった鉄鋼曲面での吸着走行を容易に行えるロボット機構を開発した。同機構は曲面での吸着走行の他に、壁面への着脱や壁と天井などの2面で構成される隅部の乗り越えにも対応する。
今回開発したロボット機構によって、これまで手作業で行ってきた曲面上での高所溶接作業などをロボットに代替させることが期待できるという。
なお今回の開発結果は、同社社員自らが実現したいテーマに取り組む「チャレンジ制度」を活用し取り組んだ成果だという。