米Lockheed Martin、レーザー防衛システムのテストで模擬ミサイルの撃墜に成功

米Lockheed Martinは2022年8月のYouTube動画で、同社のレーザー防衛システムの最新の成果を公開した。

この動画は、2022年2月に同社が米海軍研究所と協力して実施した試験の模様で、「高エネルギーレーザー兵器システム」を使用して、飛行中の模擬巡航ミサイルを無効化(撃墜)した様子を伝えている。この映像自体、同システムに搭載される光学追跡システムが録画したもので、交戦記録としても使用する。

Lockheed Martinはこのレーザー兵器を「Layered Laser Defense(LLD)」と称し、3種類のレーザーで構成する。具体的には、標的を追跡する「ターゲット照明レーザー」、大気のひずみを測定する「ビーコン照射レーザー」、そしてターゲットを破壊する「高エネルギーレーザー」である。レーザービームを制御するシステムは、レーダー等のセンサーが収集するターゲット追跡情報を利用して、標的の撃墜に必要なビームの特性を調整する。

上述の高エネルギーレーザーは、既存の兵器に対する「ゲームチェンジャー」になり得る優位性を持つ。本システムが使用するレーザーの波長は可視光ではないため、SF映画と異なり肉眼では見えない。また、命中したターゲットは爆発しない。さらに、大砲のように砲弾を装てんする必要がなく、必要な電力を供給できるかぎり運用できる。すなわち、戦闘のコストが格段に抑えられるのだ。

LLDチーフエンジニアのPaul Shattuck氏は、ビーム制御システムの命中精度について、「サンフランシスコのベイブリッジからエンパイア・ステート・ビル屋上のビーチボールを狙って撃ち抜けるレベルだ」と説明している。

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Inside the Lockheed Martin Laser Technology That Defeated a Surrogate Cruise Missile

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