ロードノイズを軽減する高性能加速度センサを発表――EV向けに静かな車内を実現 STマイクロ 

STマイクロエレクトロニクスは2022年10月7日、タイヤから発生するロードノイズなどを軽減する車載用3軸MEMS加速度センサ「AIS25BA」を開発したと発表した。エンジン音のない電気自動車(EV)は道路とタイヤが接触することで発生するロードノイズが車内に響きやすいという欠点があるが、同製品はロードノイズを軽減し、より静かで快適な車内環境を実現する。

これまでの自動車はエンジン音によって、タイヤや路面が原因のノイズがかき消されていたが、エンジンのないEV車はノイズが車内に響きやすく、不快に感じる人も多いため、EV各メーカーは車内ノイズの軽減に取り組んでいる。

ノイズの軽減には、振動を抑えたり吸音したりする方法のほか、車の各所に取り付けられた多く加速度センサと環境音の測定によって、アンチノイズとして機能する補正波形を生成、それをスピーカーから流してノイズを打ち消す「ノイズキャンセリング」という方法がある。

AIS25BAは、ロードノイズキャンセリング(RNC)システム向けに設計された3軸MEMS加速度センサで、車内のノイズキャンセリングに関連するすべての周波数帯域をカバー。センサの総遅延は266µsで、システムがノイズキャンセリング信号をリアルタイムで生成するために必要な時間を十分確保できるよう設計されている。

さらに、TDM(時分割多重化)デジタルインタフェースが搭載されており、設置された多数の加速度センサからの出力を同期し、車両全体の振動を測定できる。広い動作温度範囲と機械的な堅牢性も備え、エンジンやEVモータ、タイヤ、サスペンション近くなど設置場所を選ばない。

AIS25BAは、AEC-Q100規格に準拠し、14ピンのLGAパッケージ(2.5×2.5×0.86mm)。1000個購入時の単価は約3.90ドルとなる。サンプル提供については、同社のセールスオフィスや販売代理店で対応している。

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