硫化スズが高効率太陽電池の材料として有望なことを実証 東北大

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東北大学は2022年12月2日、地球上に豊富にある元素の化合物である硫化スズが、高効率な太陽電池の材料として有望なことを、光電子分光法による解析で明らかにしたと発表した。研究成果は11月30日、The Journal of Physical Chemistry C誌に掲載された。

硫化スズは安価なスズと硫黄から構成される化合物で、光を強く吸収することから太陽電池材料として約20年間研究されてきた。しかし、硫化スズを使った太陽電池の開放電圧は5%以下で、実用化されている太陽電池の半分以下と低いことが実用化に向けた課題となっていた。

開放電圧が低いのは、硫化スズ界面において、硫化スズのバンドがほとんど曲がらないのが原因とされている。このため、同大学多元物質科学研究所の研究グループは硫化スズ単結晶に酸化モリブデンを堆積して、光電子分光法による界面の電子状態を解析。その結果、界面近傍で硫化スズのバンドが1eVも曲がることを確認した。

従来の硫化スズ太陽電池では開放電圧が0.3V程度だったが、今回の結果を応用すれば、0.7~0.8Vの大きな開放電圧を得られる可能性がある。

さらに、今回の結果と従来の硫化スズ界面との違いを比較した結果、太陽電池に適した硫化スズ界面を実現するには、硫化スズ薄膜中の硫黄欠損の抑制や、太陽電池のp型層とn型層のどちらにも硫化スズを用いたホモ接合構造の採用が有効だとしている。

研究グループは今後、n型硫化スズ薄膜を用いたホモ接合太陽電池を作製し、硫化スズ太陽電池の開放電圧や変換効率の向上を目指して研究を進めていく。

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