- 2022-12-8
- 技術ニュース, 機械系, 海外ニュース
- Ben Maddison, Defence Science and Technology Laboratory(Dstl), DragonFire, Laser Directed Energy Weapon(LDEW), Leonardo, MBDA, QinetiQ, ビームディレクター, 高出力・長射程レーザー兵器
英国防省のDefence Science and Technology Laboratory(Dstl)は2022年11月8日のプレスリリースで、高出力/長射程レーザー兵器「Laser Directed Energy Weapon(LDEW)」の試験に成功したと発表した。
この試験では、LDEWのデモ機「DragonFire」を試射して、距離レンジの異なる複数の標的に対して、ピンポイントで正確にダメージを与えうる性能を確認した。イギリスにとってこの試験結果は、高エネルギーレーザーと周辺技術の実戦配備に向けた知見を高める機会となった。
DragonFireの開発は、システム全体の統括と指揮統制システムを、欧州軍需大手のMBDAが担当した。また、標的を追跡してその位置をピンポイントで指示するビームディレクターを、伊Leonardoが開発した。さらに、50kWクラスの出力をもつレーザー装置を、英QinetiQが担当した。同装置の出力は、将来的にスケールアップできる設計だ。
従来の兵器システムと比較したDragonFireの優位性は、運用の負担が軽いことに加え、より低コストで同等の戦力を保有できる点だ。この技術は、防衛装備の将来像に対して大きな影響を与える可能性があることを、プレスリリースは説明している。
DstlのテクニカルパートナーであるBen Maddison氏は「今回の試験結果は、イギリスがLDEWシステムの技術で世界をリードしていることを示した」と述べた。