ドライ方式での水素専焼が可能な、1.8MW級ガスタービンコージェネレーションシステムを販売開始 川崎重工

川崎重工は2023年9月5日、ドライ方式での水素専焼が可能な1.8MW級ガスタービンコージェネレーションシステム「PUC17MMX」の販売を開始したと発表した。

水素を燃料とした発電設備は、天然ガスに比べて燃焼速度が速く、燃焼温度が高いといった特性を有する。このため、NOxの排出量増加や燃焼器部品の過熱といった点が課題となる。

同社は今回、マイクロミックス燃焼と追焚き燃焼を独自に組み合わせて、上記の課題に対応したドライ方式の水素専焼燃焼器を開発した。

マイクロミックス燃焼とは、直径1mm以下の小さな噴射孔から燃料を小分けに噴射し、多くの微小火炎により燃料を燃焼させる手法を指す。局所的な高温部分をなくすことで、NOx排出量を安定して低く保つことが可能となる。

また、追焚き燃焼とは、マイクロミックス燃焼の下流に燃料を投入して燃焼させる手法を指す。追焚き燃料を調整することで、マイクロミックス燃焼を安定させたまま出力を変更可能。NOx排出量をさらに抑制できる。

これらにより、大気汚染防止法の規制値を超えないNOx排出量での運用が可能となった。

また、水素と天然ガスの混焼運転にも対応。体積比50〜100%の任意の割合で水素を利用できるため、水素の供給量に応じた柔軟な運用が可能となる。

なお、今回開発した燃焼器には、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「水素社会 構築技術開発事業」の一環として、「ドライ低NOx水素専焼ガスタービン技術開発・実証事業」(2019~2020年度)、「水素CGSの地域モデル確立に向けた技術開発・研究」(2021~2022年度)にて開発した技術を活用した。

関連情報

世界初ドライ方式「水素専焼」1.8MW級ガスタービンコージェネレーションシステムの販売を開始 | プレスリリース | 川崎重工業株式会社

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