米宇宙軍のスペースプレーン「X-37B」、908日間のミッションから帰還

アメリカ宇宙軍は2022年11月12日、再利用可能な無人飛行のスペースプレーン「X-37B Orbital Test Vehicle-6(OTV-6)」が、NASAのケネディ宇宙センターに帰還したと発表した。OTV-6は今回のミッションで軌道上に908日間とどまり、数々の実験を遂行した。

OTV-6の特徴は、収容できる実験数の拡大を目的に、X-37Bの後部に接続された「サービスモジュール」だ。今回のミッションのなかで米海軍研究所の実験では、「光起電力高周波アンテナモジュール」を用意した。この実験の目的は、マイクロ波を使用して大気圏外から地上に向けて送電する技術の確立だ。

NASAからは、複数の実験が計画された。1つは、宇宙空間で各種材料が受ける暴露の影響を把握するもので、熱制御コーティング、プリンテッドエレクトロニクス、放射線遮蔽材料の候補がそれぞれ対象となった。もう1つは、宇宙暴露が植物の種子に与える影響の調査だ。この実験は、宇宙空間での作物育成について知見を得る目的で、将来の惑星間ミッションや恒久的な居住基地の確立に役立つ。

なおX-37Bは帰還前、サービスモジュールの分離に成功した。これは、大気圏への再突入時の空気抵抗を考慮したものだ。

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X-37B orbital test vehicle concludes sixth successful mission

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