未経験でもロボットエンジニアは目指せる?なる方法や取るべき資格を解説

IT化が進んでいる現在、世の中ではロボットエンジニアの需要が高まっています。そのため、熱意とスキルがあれば未経験であってもロボットエンジニアは十分に目指せます。

学生や現役のエンジニアの人の中には、ロボットづくりに興味を持っている人も多いのではないでしょうか。

この記事では、未経験者がロボットエンジニアを目指すために必要な情報を網羅的に解説します。ぜひ最後まで読み進めてください。

ロボットエンジニアとは

ロボットエンジニアとは、ロボットの設計や開発、製造、テスト、運用、保守を行うエンジニアを指します。ロボットの動きや制御方法をプログラミングし、ハードウェアとソフトウェアを連携させて、人間の手助けをする機械を創り出すことが主な役割です。

ロボットエンジニアは社会の様々な分野で活躍しています。未経験からこの分野に入るには、機械工学やコンピュータサイエンス、電子工学などの基礎知識が必要です。

ロボットエンジニアの需要

ロボット技術は進化を続けており、産業ロボットから医療用ロボット、家庭用ロボットなど多岐にわたる分野での活用が広がっています。ロボットエンジニアの需要は年々高まっていると言えるでしょう。

機械や電気・電子、組み込みエンジニアだけでなく、通信、ネットワーク、UI/UXなどのソフトウェア系エンジニアの需要も高まっているため、スキルを持っているロボットエンジニアが広く求められているのが現状です。

ロボットエンジニアの将来性

近年、産業用ロボットから日常生活をサポートするロボット、医療や介護の分野で活躍するロボットなど、ロボット技術の応用範囲が広がっています。そのため、ロボットエンジニアの需要も増加傾向にあり、将来性の高い仕事だと言えます。

また、人工知能やIoTといった新しい技術との融合が進む中で、これらの技術を取り入れたロボットの開発が進められています。これにより、ロボットエンジニアには新しい知識やスキルを身に付けるチャンスが増え、より幅広い分野で活躍できるようになるでしょう。

未経験からロボットエンジニアになる方法

未経験からロボットエンジニアになるためには、学校での勉強や現場での実務経験が欠かせません。自分にあったやり方を見つけ、実力を高めていきましょう。

ここからは、未経験からロボットエンジニアになる方法を3つ解説します。

学校に通ってスキルを身に付ける

ロボットエンジニアとしてのスキルを身に付けるためには、教育機関での学習が非常に有効です。大学や大学院でロボット工学や機械工学、電子工学、情報工学、プログラミングなどを学び、専門的な知識を身に付けるとよいでしょう。

近年ではオンラインの教材も充実しており、自宅で手軽に学習できます。ただし、実際にロボットづくりに触れることも大切です。

実績を積んだうえでロボットエンジニアに転職する

既にエンジニアとしてのキャリアを持っている場合、その経験を生かしてロボットエンジニアに転職する道もあります。現在の職場でロボットに関連するプロジェクトに参加すれば、実際の業務で使用するソフトウェアやハードウェアに触れ、実践的なスキルを身に付けられます。

自分の実績やスキルをアピールするために、ポートフォリオを作成すると転職に有利となるでしょう。

未経験者を募集している企業に応募する

近年、ロボット技術が進化し、活用が広がるにつれて、未経験者でも採用する企業が増えています。多くの企業がロボットエンジニアを求めており、未経験者を育て上げることで、将来、優秀なエンジニアとして活躍してくれることを期待しているのです。

未経験者を募集している企業に応募する場合、まずは自分がどのような分野に興味を持っているのか、どのようなロボットエンジニアになりたいのかを明確にし、それをベースに企業を選びましょう。また、未経験者を対象とした研修や教育プログラムがあるかどうかも重要なポイントです。

未経験者がロボットエンジニアを目指すために取るべき資格

未経験者がロボットエンジニアを目指す際には、情報処理技術者試験や機械設計技術者試験の資格を持っていると、キャリアプランが立てやすくなるでしょう。

ここからは、未経験者がロボットエンジニアを目指すために取るべき資格を4つ紹介します。

情報処理技術者試験

情報処理技術者試験は、情報技術の基本的な知識やスキルを評価する資格です。この試験は、ネットワークやデータベース、プログラミング、セキュリティなど、幅広い分野をカバーしています。

情報処理技術者試験は、ロボットのプログラミングや制御、データ処理、センサーとの連携など、非常に重要なスキルを身に付けるうえで役立つでしょう。特にプログラミングスキルはロボットエンジニアにとって必須のものであり、この資格を取得することで基本的なプログラミング能力を証明できます。

CAD利用技術者試験

CAD利用技術者試験は、コンピュータを用いて設計図や3Dモデルを作成するスキルを評価する資格試験です。製図の基本的な知識から、CADソフトウェアを用いた図面作成の技術まで、幅広い知識とスキルが問われます。

ロボットエンジニアにとってCADスキルは非常に重要です。ロボットの設計や改良で必要な3Dモデルを作成する際に、CADソフトウェアが利用されるためです。CADを用いることで、ロボットの部品や機械構造を詳細に理解でき、それに基づいてより精密なロボットの開発ができます。

未経験者がロボットエンジニアを目指す際には、CAD利用技術者試験の合格も目指すとよいでしょう。

機械設計技術者試験

機械設計技術者試験は、機械の設計に関する知識と技術を評価する試験であり、機械設計のプロフェッショナルとしての資格を得るための試験です。

ロボットエンジニアとして活動するうえで、機械の設計や解析のスキルは非常に重要です。ロボットは様々な機械部品で構成されており、これらの部品が適切に設計されていないと、ロボット全体の性能が低下してしまう危険性があります。

機械設計技術者試験の勉強をすることで、より高度なロボットエンジニアリングの知識や技術を習得するための土台を築けるでしょう。

電気主任技術者試験

電気主任技術者試験は、電気工学の知識と技術を総合的に評価する試験です。この試験は、電気の基本原理、電気回路、電気機器の操作と保守、法規など、幅広い範囲の知識が問われるため、電気主任技術者としての高い専門性が求められます。

ロボットエンジニアにとって、電気工学の知識は必要不可欠です。ロボットはセンサーやアクチュエータなどの電気機器を用いて動作するため、これらの機器の設計や制御、保守に関する知識が求められます。

ロボットエンジニアに求められるスキル

ロボットエンジニアには、様々なスキルが求められます。それだけではなく、ロボットの種類によって必要なスキルも変わってくるため、自分にどのスキルが必要なのかを見極めることも大切です。

ここからは、ロボットエンジニアに関わるスキルを解説します。

ロボット工学に関する知識

ロボット工学は、機械工学、電気工学、コンピュータサイエンスなど、多くの学問分野が絡み合って成り立っているため、ロボットエンジニアにはそれぞれに対する深い理解が求められます。

具体的には、ロボットの構造を形作るための機械設計や材料力学、動きやバランスを制御するための力学や制御工学、センサーやアクチュエータなどの電気機器の知識、そしてロボットの動作をプログラムするためのコンピュータサイエンスの知識が必要です。

また、これらの知識を統合してロボットシステムを設計するためには、ネットワーク・通信技術や数学の知識も必要になってきます。

プログラミングスキル

ロボットエンジニアにとってプログラミングスキルは不可欠です。これは、ロボットの動作を制御するソフトウェアの開発やデータ処理、システム制御などに必要な技術です。

具体的には、C++やPythonといったプログラミング言語を使用して、ロボットの動作をプログラムするスキルが必要です。これらの言語はロボットエンジニアリングの分野で広く使用されており、多くのロボット開発プラットフォームやフレームワークがこれらの言語に対応しています。

また、センサーからのデータを収集し処理するためのデータ分析スキルも重要です。これには、センサーの特性を理解し、データを適切にフィルタリングしたり、変換したりする技術が求められます。

電子工学の知識

ロボットエンジニアには電子工学の知識が必要不可欠です。ロボットは様々な電子機器やセンサーを使って動作するため、これらのデバイスの動作原理や使い方を理解し、適切に制御する技術が求められます。

具体的には、電子回路の設計や分析、電子機器の操作や保守などのスキルが求められます。電子回路の設計では、基本的な回路要素の特性や動作原理を理解し、これらを組み合わせて目的の回路を作る能力が求められます。

また、センサーやアクチュエータなどの電子機器を用いて、ロボットの動作を制御するためには、これらの機器の特性や使い方を熟知しておく必要があります。

例えば、センサーからの信号を受け取り、これをもとにロボットの動作を制御するプログラムを書く際には、センサーの出力特性やノイズの影響を考慮する必要があります。あわせて、センサーからのデータを収集・解析する技術も求められるでしょう。

語学力

ロボットエンジニアにとって、語学力は有益なスキルです。特にグローバルに活動する企業やプロジェクトに参加する場合、異なる文化を持つチームメンバーやクライアントと効果的にコミュニケーションをとるためには、英語などの語学力が必要です。

英語は国際的なビジネスや学術の場で広く使われている言語であり、ロボットエンジニアリングの分野でも、多くの研究論文や技術ドキュメントが英語で書かれています。そのため、英語の読み書きができると、最新の研究成果や技術情報を調べる際に有利となるでしょう。

語学力はロボットエンジニアにとってプラスとなるスキルであり、グローバルに活動する機会を広げる助けとなります。

社会のニーズを汲み取る力

社会のニーズを理解し、その内容に対応したロボット技術を開発できる能力は、ロボットエンジニアにとって重要です。エンジニアとしての高い専門性を持ちつつ、その技術が社会にどのような影響を与えるかを常に考える視点が求められます。

例えば、高齢化が進む社会においては、介護支援ロボットの需要が高まっています。このようなニーズを捉え、利用者の立場に立って使いやすいロボットを設計・開発する意識が重要です。

社会的な影響を理解し、バランスの取れた技術開発を進めることも、ロボットエンジニアにとっての重要な役割と言えるでしょう。

ロボットエンジニアに向いている人の特徴

ロボットエンジニアを目指している人は、自らに資質があるかどうかを入念に確認しましょう。ロボットエンジニアには、向上心や論理的思考力などが求められます。

ここからは、ロボットエンジニアに向いている人の特徴を3つ解説します。

ものづくりが好き

「ものづくり」を楽しめるかどうかは、ロボットエンジニアにとって何よりも大切な資質です。ロボットエンジニアリングは、アイデアを形にする創造的なプロセスであり、そのためにはものづくりに対する情熱と興味が不可欠です。

また、ものづくりが好きな人は、新しい技術やツールに対しても興味を持ちやすいため、最新の技術を取り入れてよりよいロボットを開発できるでしょう。ものづくりが好きな人は、ロボットエンジニアとしての創造性を発揮し、技術的な課題にも前向きに取り組める資質を持っています。

向上心がある

ロボットエンジニアにとって、向上心は大切な資質の1つです。技術の進化は非常に速いため、常に最新の知識を身に付け、自分のスキルを磨き続けることが求められます。また、新しいアイデアや技術を取り入れることで、より優れたロボットの開発に貢献できるでしょう。

向上心がある人は、自分自身の限界に挑戦し、困難な課題にも前向きに取り組めます。その結果、より高いレベルの技術を身に付け、プロジェクトの成功に寄与できるでしょう。

論理的思考力に優れている

論理的思考力に優れているかどうかも重要な観点です。設計やプログラミング、トラブルシューティングなどの作業には、論理的な分析や判断を必要とします。

論理的思考力が優れている人は、複雑なシステムやプログラムを理解し、問題が発生した際に原因を迅速に特定し、適切な解決策を見つけられます。また、ロボットの動作やプログラムの流れを正確に理解し、より効率的で安定したシステムを構築できるでしょう。

まとめ

未経験であっても、やる気と熱意さえあればロボットエンジニアは十分目指せます。どのようにスキルを高めていくのかを明確にしたうえで、学校で学ぶ・実務に携わるなどの方法でスキルや知識を身に付けていきましょう。ロボットエンジニアとしてのキャリアをスタートさせるためにやるべきことは数多くあります。

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生産設備、自動車部品、民生品などの経験を経て、産業用ロボットの設計開発で約14年。機械系エンジニアが歩んだキャリア___メイテック 池田 善朗氏

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