ガソリンエンジンの効率を高める――圧縮圧力が向上する2ピース構造のコンロッド「Thunder Rod」

内燃機関の開発を手掛けるスタートアップのTranscend Energyは、新しいコネクティングロッド(コンロッド)「Thunder Rod」を開発したと発表した。最小限の設計変更で、エンジン性能を向上させるとしている。

一般的なガソリンエンジンで使われているコンロッドは、ピストンと接続する小端部とクランクシャフトと接続する大端部をもつストレートなロッドだが、Thunder Rodは小端部の直下にセカンドジョイントを備えた2ピース構造を特徴とする。この構造により、クランク角が90度の時にピストンスピードが通常より速くなる(より速く上昇、あるいは下降する)。この速度上昇により正味の圧縮圧力が高くなり、ノーマルコンロッドより25~30%向上するという。また、クランクシャフトのレバレッジやトルクが改善し、ピストンの首振りを抑えることができるという。

「弊社の内燃エンジン技術は、環境的および性能的側面から画期的だ」と、共同創設者のDesa Story氏は語り、「ロッドのほんの一部分を変更するだけで、当社がサービスを提供する OEM、レース、アフターサービス市場に驚くべき変化をもたらすだろう」と続ける。

Jon Woodward代表取締役も、電気自動車の未来はまだ先のことだと考えており、「予測可能な未来のために、現在の技術をさらに改善して効率を最大化するのが我々の使命だ」と述べる。何年にもよる開発の結果、夢が形となってThunder Rodの技術が実現し、大きなインパクトを与えることができたとしている。

Thunder Rodは、2022年11月1日~4日にラスベガスで開催されたSEMAショーで公開された。現在はまだ研究開発段階だが、2023年末までに製造および販売の開始を目指している。

関連リンク

The World’s First Two-piece Connecting Rod

関連記事

アーカイブ

fabcross
meitec
next
メルマガ登録
ページ上部へ戻る