世界初の100%バイオ由来原料による3Dプリント住宅を公開

米メイン大学の高度構造複合材料センター(ASCC)は、2022年11月21日、世界で初めてバイオ由来の原料のみで3Dプリンティングして建造した住宅「BioHome3D」を公開した。

広さ約56平方メートルのBioHome3Dのプロトタイプは、ウッドファイバーとバイオ樹脂を使って床、壁、屋根を3Dプリントして構築したものだ。住宅そのものは完全にリサイクル可能で、断熱性が高いことも特徴だ。断熱性能を左右する要素の1つである熱抵抗R値はカスタマイズできる。

BioHome3Dプロトタイプは、別の場所で3Dプリントした4つのモジュールを現地に運び、半日で組み立てて完成させた。現地には電気技師が1人いれば2時間以内に電気を開通して使えるようになった。また、プリンティングプロセスの正確さにより、建設に伴う廃棄物はほとんど出ないという。

アメリカでは手ごろな価格の住宅不足が深刻な課題となっており、その主な原因は労働力不足と建築資材価格の高騰だ。メイン州だけでも2万戸が不足しており、BioHome3Dの披露イベントに出席したJanet Mills州知事は、革新的なBioHome3Dが誕生したことについて住宅不足問題の解決に向けた「前向きな一歩だ」と期待を示している。

BioHome3Dプロトタイプは熱センサー、環境センサー、構造モニタリング用センサーを備えており、冬の間にどのような状態になるかをテスト中だ。研究者らは収集したデータを今後の設計の改善に役立てるとしている。

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First 100% bio-based 3D-printed home unveiled at the University of Maine

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