世界で初めて音声操作装置を搭載した精密万能試験機を発売島津製作所

島津製作所は2023年1月25日、精密万能試験機「オートグラフAGX-V2シリーズ」5モデルを発売した。試験機として世界で初めて音声操作装置を搭載しており、正しく安全な検査ができる。価格はソフトウェア込み600万円～（税別）。

オートグラフAGX-V2シリーズは、音声操作装置「XV-Talk」を搭載。オペレーターが音声で操作でき、これまでボタンで操作していた「試験の開始」「ピーク値（試験結果）の表示」「試験後に開始点へ戻る動作」など25種類の動作を音声で指示できる。

対応言語は、日本語、英語、中国語。オペレーターが「試験開始」「実行」など特定のキーフレーズを使って指示すると、装置が音声で返答する。音声指示を使用する動作は、業務フローに応じて25種類から選んで組み合わせることができる。装置の音声による注意喚起で試験の安全性が高まることに加え、経験の浅い人でも迷わず操作できる。

標準モデルに加えて、試験効率を高める「大型カラー液晶タッチパネル搭載モデル」、大型部品を試験できる「試験空間幅広モデル」、新素材開発に役立つ「制御装置別置きモデル」など計5モデルをラインアップする。

「大型カラー液晶タッチパネル搭載モデル」は、品質管理部門の「多くのサンプルを短時間で効率よく試験したい」という要求に対応。コントローラー上のタッチパネルに、試験データやグラフをリアルタイムで表示するため、PCレスで運用でき、試験効率が向上する。

「試験空間幅広モデル」は、試験空間幅を600mmから1000mmに拡大。これまで車のシートなどの大型部品は、切断して試験していたが、実物サイズのまま試験できる。「制御装置別置きモデル」は、輸送機器の強靭化、軽量化のための新素材開発に役立ち、複合材が破断した際の粉塵の浮遊や、高強度鉄鋼材（超ハイテン材）の破断時の衝撃による電子部品の故障を防ぐ。

また、現行機種「オートグラフAGX-Vシリーズ」の性能を継承。指示値のプラスマイナス0.3％以下の高い試験力測定精度や、ロードセル容量1/1～1/2000の広い測定精度保証範囲、競合比2倍のデータを取得できるサンプリング速度10kHz、ひずみ測定などに対応する外部入力ポートを最大20chまで増設できる高い拡張性といった世界最高の機能や性能を持つ現行機種から、それらの性能を継承しており、試験業務の効率化、正確化を図っている。

世界で初めて音声操作装置を搭載した精密万能試験機を発売　島津製作所