- 2023-2-2
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- Boeing, ICF, Imperial College London, Mark Harper, Pratt & Whitney Canada, RMI, Rolls-Royce, Sheffield大学, Virgin Atlantic, カーボンクレジット, ネットゼロ, バイオ炭, ボーイング787, ライフサイクル, 持続可能な航空燃料(SAF)
大手航空会社の英Virgin Atlanticは2022年12月16日、持続可能な航空燃料(SAF)のみでロンドン-ニューヨーク間を飛行する計画を発表した。機体はボーイング787を使用して、SAFが既存の航空燃料を代替できることを実証する。
SAFは、使用済み食用油などの廃油や油脂を主原料とする。既存の航空燃料の100%をSAFで代替した場合、ライフサイクルの炭素排出量を70%以上削減できる。今回のフライトは、燃料の100%をSAFとし、大気中の炭素を閉じ込めて貯蔵する素材「バイオ炭」によるカーボンクレジットを組み合わせて、「ネットゼロ」のフライトを実証する。
SAFの役割は、航空業界における脱炭素化の促進だけではない。2040年までにイギリス国内で年間約3829億円の産業を創出し、2035年までに最大5200人の雇用創出を見込んでいる。
同社は、本計画の推進に対して、イギリス政府から資金援助を受けている。推進体制は英Rolls-Royce、米Boeing、航空エンジンのPratt & Whitney Canada、英Imperial College London、英Sheffield大学、非営利組織のRMIとICFをメンバーとするコンソーシアムを組織する。
イギリスのMark Harper運輸大臣は、「このフライトは、将来の世代に道を拓くだけでなく、世界最高の企業や研究者が集まり、イギリスの航空会社が主導して共通の目標に向けて協力することで、どれだけ達成できるかを示すものだ」と述べている。
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