翼に可動部を持たないDARPAの次世代機の開発計画が、フェーズ2に進展

DARPA(アメリカ国防高等研究計画局)は、主翼や尾翼に可動部品を持たない制御機構「AFC(Active Flow Control)」を特徴とした、次世代航空機を開発中だ。同組織は2023年1月17日、制御方法の確立を目標とする計画のフェーズ2に進んだと発表した。

この計画は「CRANE(Control of Revolutionary Aircraft with Novel Effectors)」の名称をもつ。フェーズ1では、予備設計を経てAFCの機構を搭載したテストベッド機を完成させた。風洞実験の結果、機体の姿勢を制御できる力を発生させることに成功した。

DARPAは、フェーズ2を推進するためのパートナー企業として、米Boeing傘下の米Aurora Flight Sciencesを選定した。同社は特殊用途の無人機の設計と製造が専門で、本計画では詳細設計と、機体を制御するフライトソフトウェアの開発を担当する。

フェーズ2の契約には、試験飛行を目指すフェーズ3オプションを含む。重量は約3175kg、アメリカの航空機開発において「X-Plane」と呼ばれる実験機の飛行を予定する。主要な技術的ハードルは、実物大の実験機へのAFCの搭載と、飛行制御の信頼性確認の2点だ。

DARPAは、AFCに関わる一連の技術を実用化することで、空気抵抗による抗力の低減、高迎角飛行の達成、構造効率と燃料容量をアップさせるための翼厚の拡大、高揚力システムの導入などを通じて、航空機の性能向上を目指している。

関連情報

DARPA Selects Aurora Flight Sciences for Phase 2 of Active Flow Control X-Plane

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