高出力のマイクロ波でドローンの大群を迎撃――Epirusが米陸軍に試作機を提供へ

テクノロジー企業の米Epirusは2023年1月23日、指向性エネルギーシステム「Leonidas」の試作機を、米陸軍に供給すると発表した。契約金額は6610万ドル(約88億円)で、納入先は米陸軍の早期能力重要技術室(RCCTO)だ。

Leonidasは高出力マイクロ波(HPM:High Power Microwave)を発生し、ドローンなどの無人機が多数の編隊で飛来する「スウォーム攻撃」に対処する能力を持つ。同社はLeonidasの役割を、反撃を目的とした「counter-electronics system」と位置付けている。

Leonidasの有効性は、米政府の支援による複数のテストで実証されてきた。同社のHPMに対する開発方針である「software-defined approach」は、ソフトウェアを軸に機能を最新化していくプロセスが特徴だ。

具体的には、システムのソフトウェアを更新するしくみを導入し、タイムリーに機能追加や性能向上を提供する。さらに、オープンシステムアーキテクチャにより、Leonidasが軍の指揮統制ネットワークに接続し、作戦に参加する能力などを備える。

EpirusのCEOであるKen Bedingfield氏は、「現在の防空システムは、スウォーム攻撃への対処が不十分であることを、何度となく見てきた」と指摘する。そして、契約の意義を「高い費用対効果に加えて、モジュール式で機能更新するシステムにより、スウォーム攻撃に対処する」と強調した。

関連情報

U.S. Army Awards Epirus $66.1M Contract for Leonidas™ Directed Energy System — Epirus, Inc.

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