SPADセンサー搭載の超高感度カメラを開発――暗闇でもフルHDの鮮明なカラー撮影が可能キヤノン

キヤノンは2023年4月3日、遠方の暗所でも被写体を鮮明に映し出すことができる、約320万画素1.0型SPADセンサー搭載のレンズ交換式超高感度カメラ「MS-500」を開発中だと発表した。

国境や港湾、空港など重要なインフラ施設では、暗闇や遠方などでも素早く対象を発見できる高度な監視システムが必要になる。

現在一般的なカメラで採用されているCMOSセンサーでは「電荷集積」という方法が採用されている。この方法では、蓄積された電気信号を読み出す際にノイズが混在するため、特に暗所においては画質が劣化する傾向にある。今回の開発で採用しているSPADセンサーでは「フォトンカウンティング」という方法を採用。画素に入った光子をデジタル信号として捉えることができるため、読み出しの際にノイズが発生しないのが特徴だ。このため暗闇でもわずかな光を検知して鮮明にカラー撮影することが可能だ。

また、レンズマウントには放送用のバヨネットマウント（BTA S-1005B規格準拠）を採用。同社製を含むさまざまな放送用レンズを使用して、例えば数km先の遠方の被写体も認識／撮影できるようになる。

同カメラは世界初のカラー撮影用のSPADセンサー搭載カメラとして、2023年中の発売を目指して開発を進めている。

SPADセンサー搭載の超高感度カメラを開発――暗闇でもフルHDの鮮明なカラー撮影が可能　キヤノン