液体水素燃料で航行する世界初のフェリー「MF Hydra」が、最終試験を通過

ノルウェーのフェリー運営企業Norledは、液体水素を燃料とするフェリー「MF Hydra」のシステムテストを2023年初めより実施してきた。同社はこのほど、最終段階の性能試験である「海上公試」について、ノルウェー海事局(NMA)からの最終承認を得たと発表した。

液体水素燃料は、グリーンな海運への移行において重要な役割を果たすと期待されている。MF Hydraのプロジェクトは、世界の海事産業にとって非常に重要だと同社は説明する。

フェリーの全長は82.4mで、最大290人の乗客と80台の車両を積載できる。年間の二酸化炭素排出量を、最大で95%削減するという。

ノルウェーの沿岸部では、通勤手段としてフェリーに頼る住民も多く、同国はグリーンな海事ソリューションを牽引してきた。2000年には、液化天然ガス(LNG)を燃料とした自動車運搬用フェリー「MF Glutra」を導入し、2015年には、電動プロペラ推進のフェリー「MF Ampere」を導入した。

MF Hydraの技術開発プロジェクトは、Norledのリードのもと、主要な技術として、船上の水素システムを独Linde Engineeringが供給し、水素から電気を生成する燃料電池をデンマークのBallardが開発する。

NorledのCTOであるErlend Hovland氏は、液体水素を燃料として使用している事業体は、Norledと宇宙産業だけだと説明している。MF Hydraの就航は、ノルウェーと世界にとって、ゼロエミッションへの移行に向けた技術革新を推進するかたちになるという。

関連情報

関連記事

アーカイブ

fabcross
meitec
next
メルマガ登録
ページ上部へ戻る