フランス南東部沖合に無人海中研究室を建設――ニュートリノ検出器を設置し、陸上へリアルタイムでデータを送信

© Camile Combes,Agence Ouvreboîte

仏マルセイユ素粒子物理学センター(CPPM)がホストラボを務める、地中海プロヴァンス海中実験室(Laboratoire Sous-marin Provence Méditerranée:LSPM)が2023年2月24日に開設され、注目を集めている。LSPMは、フランス南東部沖合の地中海海底に設置された水中基地だ。

LSPMは、技能提供を構造化し、社会経済および学術界が容易に利用できるようにするため、「エクス・マルセイユ技術プラットフォーム(Aix-Marseille Technological Plateform)」に分類されており、仏エクス・マルセイユ大学とフランス海洋開発研究所(IFREMER)は、学際的な研究と科学文化を重視するこのインフラストラクチャーの試験運用に参加している。

LSPMが建設されたのは、フランス南東部の港湾都市トゥーロンから40km南、水深2450mの海中だ。LSPMにはキュービックキロメーターニュートリノ望遠鏡(KM3NeT)ORCA検出器や欧州学際海底・水柱観測所(EMSO)の環境センサーを設置しており、さまざまな機器からマルセイユにある陸上コントロールルームへリアルタイムでデータを送信している。

LSPM開設時点で、水中計器接続用や環境測定専用のジャンクションボックスが3つ設置されているが、今後、陸地と接続する2本目の電気光学ケーブルを敷設すれば、ジャンクションボックスを3つから5つに増やせる可能性があるとしている。

関連情報

CPPM’s WebSite: LSPM
Laboratory at bottom of Mediterranean for probing sea and sky | CNRS

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