NASAの火星探査ヘリ「Ingenuity」、50回目のフライトを達成して記録を更新中

Credits: NASA/JPL-Caltech.

アメリカ航空宇宙局(NASA)のジェット推進研究所(JPL)は、火星探査ヘリコプター「Ingenuity」が、火星地表での飛行実験を重ねた結果、2023年4月13日に50回目のフライトを達成したことを発表。現在、52回目のフライトログが公開され、今後も更新される模様だ。

Ingenuityの任務は、火星で初となる動力飛行の技術実証だ。火星探査機「Perseverance」の下部に取り付けられた状態で、火星に到着した。Ingenuityの設計目標は、火星での飛行制御技術の実証を足掛かりに、将来、太陽系探索ミッションに出る可能性の検証だ。

Ingenuityの火星での初フライトは、2021年4月19日だ。その際の記録は地表から約3m上昇し、飛行時間は39秒だった。火星を覆う大気密度は地球の1%以下と希薄なため、ヘリコプターの飛行には厳しい環境だ。このため、Ingenuityの重量は1.8kg以下に設計されている。

飛行記録は、50回目で過去最高の高度18mまで上昇した。また、49回目の飛行時に、対地速度の最高値として秒速6.5mを記録した。飛行時間は、初回には39秒であったが、直近では2分20秒近くまで伸びた。51回目までの総飛行距離は約11.7kmに達し、総飛行時間は91.4分に上る。

NASAによると、Ingenuityは初期の目的である技術的デモンストレーションを達成し、今後は火星探査に向けたフェーズに移行するという。

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