- 2023-5-25
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- Electron, Peter Beck, Rocket Lab, Rutherford, ロケットエンジン, 国家安全保障, 宇宙デブリ削減, 海上回収, 科学研究, 空中回収
米Rocket Labは2023年4月19日、同社のロケットエンジン「Rutherford」について、一度打ち上げに使用して回収した個体を「Electron」ロケットに搭載し、再飛行させる計画を発表した。
回収したエンジンには、再飛行に備えて、各種の適格性試験と受入試験が実施される。同社によれば、再利用予定のRutherfordエンジンは、新造の個体と完全に同等の性能を維持していることを確認済で、2023年の第3四半期に商業ミッションの打ち上げで使用予定だ。
Rocket Labは、過去6回のElectronの打ち上げミッションで、第1段 エンジンの回収に成功した。直近の実績は、2023年3月24日にニュージーランドにある同社の発射施設から打ち上げられたものだ。
同社が検証中のロケット回収方法は、2種類ある。1つは、パラシュートで地球に帰還したElectronの第1段が海面に着水した後、ボートで回収する「海上回収」。もう1つは、落下途中のロケットをヘリコプターでキャッチする「空中回収」だ。
Rocket Labの創設者でありCEOのPeter Beck氏によれば、小型ロケットを再利用する上でのハードルは、大型ロケットのように着陸に使用できるだけの燃料の余裕が無い、という点にある。この挑戦は、小型ロケット再利用の新基準につながると強調している。
同社によると、Electronロケットは米国で年間2番目に多い打ち上げ実績を持ち、民間および公的セクターで利用される159個の衛星を軌道に投入した。それらの衛星は、国家安全保障、科学研究、宇宙デブリ削減などの用途で運用されている。