米スタートアップ、水を推進剤にしたスラスターで宇宙船の軌道を3km上昇

アメリカのスタートアップ企業であるMomentusが2023年5月8日、蒸留水を推進剤として使用するマイクロ波電熱スラスター(MET)を使用して同社の宇宙船「Vigoride-5」の軌道を3km上昇させたと発表した。

METは、太陽光発電とマイクロ波のエネルギーを利用してコアで高温プラズマを発生し、水を加熱。ロケットノズルから高温ガスを噴出して推力を生み出す。同社の最高商務責任者であるChris Kinman氏によると、METは将来的に従来の推進システムよりも高い効率と推進力を提供できるという。顧客の衛星を正確な軌道に届ける輸送サービスの提供を目指す同社にとって、METでの軌道上昇は不可欠な要素であり、Vigoride-5の重要な目標でもあった。

同社は2022年5月から現在までにVigoride-5を含めた3機の宇宙船を打ち上げており、2023年4月にAstroscaleと共同で宇宙に送り出したVigoride-6は、NASAのハッブル宇宙望遠鏡の軌道高度を押し上げ、より長期の活用を支援する。

関連情報

Momentus Achieves First Orbit Raise with Pioneering Propulsion System | Momentus Inc
Need a Lift? Astroscale and Momentus Team to Offer NASA a Commercial Solution to Reboost Hubble and Deliver Additional In-Space Servicing | Momentus Inc

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