セルロースナノファイバーを添加した炭素繊維強化プラスチックの中間材料を開発スギノマシン

新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）は2023年9月29日、NEDOが進める技術開発事業において、スギノマシンがセルロースナノファイバー（CNF）を少量添加した炭素繊維強化プラスチック（CFRP）の中間材料（プリプレグ）を開発したと発表した。

植物素材のCNFは再生可能な資源で、軽量、高強度、高弾性、低熱膨張率、透明性などの特性を持つことから、高性能素材として注目されている。

スギノマシンは2017年に、富山県立大学と共同でCNF乾燥粉末を開発。今回、少量のCNF乾燥粉末をエポキシ樹脂に均一に分散／添加させたプラスチックをシート状に複合化し、それを含浸させたCNF添加CFRPプリプレグを開発した。

このプリプレグを成形材料としたCNF添加CFRPは、CNF未添加CFRPと比較して、曲げ強度や衝撃強度が約20％向上。その他にも疲労寿命が19倍、振動減衰率が17％、界面せん断強度が約45％向上するなど、さまざまな優れた特性を示した。

また、今回開発したプリプレグは、CNFの添加が少量で済むため、低コストで素材の性能を向上させることができる。テニスラケットやゴルフシャフト、釣り竿、自転車のフレームなど、幅広いスポーツ用品への適用が期待できる。スギノマシンでは、上記のような高付加価値用途向けの開発を目的にサンプルワークを開始。2027年の製品化を目指す。

今回開発したプリプレグは、2023年10月4日から6日まで幕張メッセで開催される「高機能素材Week」のNEDOおよびスギノマシンのブースで展示する予定だ。

セルロースナノファイバーを添加した炭素繊維強化プラスチックの中間材料を開発　スギノマシン