イギリスの科学技術機関、世界で最も強力なレーザー発生器の開発を発表

イギリスの科学技術施設会議(STFC)のレーザー施設「CLF : Central Laser Facility」は、2023年9月27日、世界で最も強力なレーザーとなり得る「Vulcan 20-20」の大規模なアップグレードを発表した。予算は、英国研究・イノベーション機構(UKRI)から、8500万ポンド(約154億8000万円)を獲得した。

STFCのRutherford Appleton研究所を拠点とするCLFは、現時点で最も強力な「Vulcan」レーザーを保有している。その主な用途は、物質の第4状態として知られているプラズマ物理学分野の研究だ。

Vulcan 20-20レーザーは、20ペタワット(PW)の出力を持つメインレーザービームと、最大20キロジュール(KJ)の出力を持つ8本の高エネルギービームを発生する。名称につく「20-20」は、この性能値に由来する。従来のレーザーに対して、100倍の明るさになる。

同レーザーは、超新星や太陽フレアのような天体物理学的現象から、クリーンエネルギー源としてのレーザー核融合の可能性まで、幅広い科学分野での活用が期待されている。

計画中の実験には、通常は宇宙でしか観測できない強力な電磁場を利用して、物質と反物質のペアを作る研究、また、ガン治療のためのイオン放射線治療の可能性を探る、新しい粒子加速法の研究などが含まれる。

Vulcan 20-20アップグレード計画は、完了まで6年を要すると予想されている。キャリアのさまざまな段階にある科学者、設計者、エンジニアなどのために、多様な雇用の創出が期待されている。

George Freeman科学大臣は、「世界で最も強力なレーザーの本拠地としてイギリスを再確立することは、天文学や物理学における未踏の領域を探求し、地球のために新たなクリーンエネルギー源を開発するなど、多くのことを実現するエキサイティングな機会です」と述べている。

関連情報

UK science facility receives £85m for world’s most powerful laser – UKRI

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