- 2021-9-8
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- Mansoor Abulhoul, Robert Van de Noort, アラブ首長国連邦(UAE), ドローン, ヨウ化銀, レディング大学, 人工降雨プロジェクト, 人工降雨ペイロード, 塩
国内で必要な水の3分の2を地下水に頼るアラブ首長国連邦(UAE)では、1990年代から各国の大学や機関と協力して「人工降雨プロジェクト」に取り組んでいる。英レディング大学の研究チームもその1つに参加し、降雨を促進できるドローンを開発した。
研究チームのドローンは、電荷を放出する装置と特殊なセンサーを搭載している。ドローンが放つ電荷によって雲内部の液滴を帯電させることで雨粒の成長速度が上がり、地上に降る雨となるという。
このドローンは、従来の人工降雨ペイロードよりもはるかに小型化、軽量化しており、ヨウ化銀や塩といった化学物質を使う必要がない。2021年3月から、UAEでテストが始まっている。
2021年5月にレディング大学を訪問し、プロジェクトのデモを視察したUAEのMansoor Abulhoul大使は「まだ開発中とはいえ、本日見学した降水技術がいつかUAEのように水不足の国々を支援するかもしれないと思うと感動する。このプロジェクトの成功と、レディング大学とUAEの今後のパートナーシップを楽しみにしている」と語った。
レディング大学副総長のRobert Van de Noort教授は「もちろん、天候を操作しようという試みは、自然の力と比べれば取るに足らないものだ。気候変動の最悪の影響を理解して回避するために、世界的なパートナーと協力することで、我々は大学として重要な役割を担っているということを心に留めている」と話している。
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