製造段階で排出されるCO₂を80％以上削減できるコンクリートを開発　竹中工務店

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竹中工務店は2023年10月19日、CO₂（二酸化炭素）を削減、固定、吸収するコンクリート「CUCO-建築用プレキャスト部材」を開発したと発表した。製造段階で排出されるCO₂を、一般的なコンクリートと比較して80％以上削減できる。

同社は、NEDO（国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構）のグリーンイノベーション基金事業「CO₂を用いたコンクリート等製造技術開発」プロジェクトの一環として、鹿島建設、デンカとともに、同事業を実施するコンソーシアムであるCUCO（クーコ）の幹事会社としてCUCO-建築用プレキャスト部材を開発。コンクリートの製造過程で排出されるCO₂の排出量が実質ゼロ以下となるカーボンネガティブコンクリート開発の成果となる。

CUCO-建築用プレキャスト部材は、1. CO₂排出量を削減する技術、2. CO₂を固定する技術、3. CO₂を吸収する技術の3つを適用しており、今回は、1と2を2種類（異なるCCU材料）、1と3、1と2と3の合計4種類のCUCO-建築用プレキャスト部材を展開する。

CO₂排出量を削減する技術は、普通のセメントに代えて、CO₂排出量の少ない高炉スラグ微粉末を用いたECMセメントを適用し、CO₂排出量を6割程度削減する。CO₂を固定する技術では、CO₂をコンクリート解体材に含まれるカルシウム分に固定させ、コンクリート用骨材や微粉（CCU材料）として使用することでCO₂を貯留する。

CO₂を吸収する技術は、セメントに効率良くCO₂を吸収して、硬化体を緻密化する特性を持つ特殊混和材LEAFを混合し、CO₂を硬化後に吸収、固定する。

4種類のCUCO-建築用プレキャスト部材は、2025年日本国際博覧会（大阪・関西万博）のパビリオンワールド メッセ イベントホール棟（仮設建築物）の基礎部材として、実際の建築物へ初めて適用する。イベントホール棟は、大阪・関西万博終了後に解体されるが、適用されたCUCO-建築用プレキャスト部材で資源循環利用の技術検証を実施する。

CUCO-建築用プレキャスト部材を適用した大阪・関西万博のイベントホール棟の基礎部材

今後、CUCOはNEDOと一体となって、CO₂削減、固定、吸収技術の開発、改良に取り組んでいく。

関連情報

CO2を削減・固定・吸収し、製造過程での排出量を80％以上削減したコンクリート「CUCO-建築用プレキャスト部材」を開発｜プレスリリース2023｜情報一覧｜株式会社 竹中工務店