オハラは2023年10月20日、水系ナトリウムイオン二次電池のセパレーターとして活用できる、防水性とイオン伝導性に優れた、ナトリウムイオン伝導性固体電解質の合成に成功したと発表した。
従来の大型蓄電池向け電池が抱えるレアメタルなどの資源量の制約やコスト、環境負荷、安全性などの問題を解決する次世代電池として、水系ナトリウムイオン電池に注目が集まっている。
ナトリウムイオン電池には、NAS電池やナトリウムイオン二次電池、全固体ナトリウム二次電池などがある。水系ナトリウムイオン電池は低起電力(低容量)という課題があるため、これまで実用化が困難だった。
今回合成に成功したナトリウムイオン伝導性固体電解質のイオン伝導度は1mS/cm。代表的なナトリウムイオン伝導体のβアルミナ(耐水性なし)と同程度であり、他の防水性ナトリウム伝導性固体電解質よりも10倍高い。
水系ナトリウムイオン電池のセパレーターに使用することで、電極間の水の浸透を防止。これにより高電圧化が可能になりエネルギー密度が2倍になる。重量エネルギー密度は、低コストの鉛蓄電池の3倍で、高コストのニッケル水素蓄電池と同等でありながら、環境負荷やコストが低く、安全な電池の実用化が可能になるという。
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