やりたい仕事・製品が決まっていないからこそ、派遣エンジニアの道を選択。監視装置、複合機、自動車部品と、製品、業務の幅を広げたエンジニアキャリア──メイテックフィルダーズ 西島 大貴氏

株式会社メイテックフィルダーズは、約1,200社の企業に対し、ものづくりの要となる設計・開発から、試験・評価・解析、生産技術、品質保証、フィールドエンジニアリングの領域に、プロフェッショナルなエンジニアによる派遣サービスを提供している企業だ。

西島 大貴氏は2014年4月に、新卒でメイテックフィルダーズに入社した機械系エンジニア。やりたい仕事や製品が明確に決まっていないからこそ、派遣エンジニアの道を選択し、これまでの約9年間で、監視装置、複合機、自動車部品と新しい製品への挑戦を続けている。そんなキャリアを歩んできた西島氏に、これまでのキャリアやエンジニアという職業、メイテックフィルダーズの魅力について、語っていただいた。(執筆・撮影:編集部)

将来の目標を見つけるために、複数の企業で経験を積める派遣エンジニアを選択。

──西島さんがエンジニアを目指したきっかけを教えてください。

[西島氏]小さい頃から段ボールで秘密基地をつくったり、プラモデルをつくって色を塗ったりすることが好きだったので、ものづくり自体が好きだったと思います。

「将来はこの仕事がしたい」という強い希望はなかったので、何かものづくりの仕事に就こうと考え、大学は機械工学科へ進学。バドミントンのサークルとサッカーのクラブ活動、アルバイトに勤しみながら、材料力学、流体力学、熱力学、機械力学などを学び、卒業間際にはCAD利用技術者試験の2級を取得しました。

──就職活動ではどんな企業に応募していたのでしょうか?

[西島氏]4年生になってもやりたい仕事やつくりたいものが見つからなかったので、業界や製品にこだわらず、とにかく色々な企業に応募しました。ところが、活動を始めた早い時期に会社説明会でメイテックフィルダーズと出会い、就職活動は早々に終了することになったのです。

──メイテックフィルダーズに入社を決めた理由を教えていただけますか?

[西島氏]メイテックフィルダーズは、プロフェッショナルなエンジニアによる派遣サービスを行っていますが、私は当時から派遣という働き方に興味を持っていました。将来やりたい仕事や製品が定まっていない自分にとっては、1社に縛られず、複数の企業で様々な製品、業務を経験できる派遣という働き方の方が、将来の目標を見つけやすいだろうと考えていたのです。リクルーターの方が私の不安や疑問にしっかりと向き合ってくれて安心感を持ったことも後押しとなって、メイテックフィルダーズへの入社を決意しました。

──派遣という働き方であれば、自分では思いつかないような製品、業務を経験することもできますね。西島さんは入社までにどんな不安や疑問を持っていたのでしょうか?

[西島氏]勉強が苦手だったので、入社した後にどんな勉強をすればいいのかが分からなかったのです。そのことをリクルーターに相談してみると、社内にはエリアデザイナー制度という、エンジニアの代表者が地域ごとの特色を出した研修を企画する仕組みがあり、その研修の他にも会社が用意してくれる研修が多数あることを知りました。学ぶ意欲があれば、そのための場が多数用意されていて、先輩や会社がフォローまでしてくれるという点にとても安心したのです。

──実際に、西島さんは入社してから多数の研修を受講されていますね。

[西島氏]自分のスキルアップのため、というのも勿論ありますが、私が大事にしていることの一つに給与があります。メイテックフィルダーズはエンジニアの評価項目の一つに自己啓発による技術力の向上があるので、自分のスキルを高めつつ、給与を上げることができるのです。ですから、機械系、電気系の研修を中心に、受講できるものはとにかく参加するように心掛けています。

どんな製品、業務にも挑戦する意気込みで、監視装置、自動車の開発に挑戦。

──自分のスキルを高めつつ、それが評価につながるとモチベーションも上がりますね。
入社後、最初の業務はどのようなものでしたか?

[西島氏]入社後、新入社員研修を受けながら「どんな製品、業務にも挑戦してみよう」と、意気込んで連絡を待っていたところ、6月に静岡にある電気機器メーカーへの配属が決まり、発電所や水処理場などで使用される監視装置の筐体設計に携わることになりました。

担当したのは机と監視装置がセットになった卓とつながる、精密機器が入ったボックスの板金図面や組立図の作成です。お客様の要望に合わせて、ピッチ数や配線を考慮しながら図面を作成していました。ツールはAutoCADだったので、大学時代に資格を取得したことが大いに役立ちました。

ボックスの中には多数の通信機器が設置されるので、ノイズがのってしまうと誤作動を起こす可能性があります。そのため、ノイズ対策を担当するエンジニアから知識を得ながら、効率的な図面の描き方を学ぶことができました。

──この配属先ではどのような知識を習得できましたか?

[西島氏]板金の知識や限られたスペースに部品を配置するための計算や図面の描き方などですね。他には、ボックスの中に入るのが電気部品で、全体の排熱や電気部品を固定する滑り止め素材の熱対策もしていたので、熱に関する知識も得ることができました。

──1年程業務をした後、新しい配属先に移っていますね。

[西島氏]1社目の業務が終了した後、直ぐに次の配属先が決まり、車の衝突実験の評価・解析を担当することになりました。テレビで見るような人形を使った実車の衝突実験もあって、とても面白く興味深い仕事でした。

業務は衝突実験を行うための事前準備から始まり、実験の計画図作成、承認取得、現場の作業員との打ち合わせ、試験の実施、評価・解析といった流れで対応していました。

──この配属先ではどんな技術や知識を習得されましたか?

[西島氏]実験の一連の業務を経験した中で、特にスケジュール管理と調整スキルが鍛えられましたね。図面を見る機会もあったのでCATIA V5という3DCADの使い方を学べましたし、LS-DYNAを使った衝撃・構造解析も経験できました。

他にもグループのリーダーが技術の基礎知識を基に論理的に物事を考えて仕事を進める人だったので、その人の仕事の仕方から技術の基礎知識の大切さを学ぶことができました。

──この後はどんな業務を経験されたのでしょうか?

[西島氏]2社目の業務が終了した時も、特定の製品や業務をやってみたいという希望はなかったので、入社時と変わらず「どんな製品、業務にも挑戦しよう」という姿勢でした。ですが、実際の業務を経験して、できるなら設計の仕事に携わりたいと考えるようになりました。そして、自動車業界の経験を買われて、希望通りトランスミッション内外部のレイアウト設計に携わることになったのです。

──同じ自動車業界ですが、設計へのシフトですね。

[西島氏]とは言え、担当したのはレイアウト設計なので、トランスミッションの形状を一から考えて、新しく図面を描くわけではありません。様々なメーカーの車の中にトランスミッションを入れてもらうのですが、その時にメーカーや車種によって異なる仕様に合わせて、トランスミッションの内側、外側のレイアウトに変更をかける仕事です。寸法から追って、交差も計算し、周りの部品と干渉しないようにレイアウトを調整するのは大変な作業でした。

──業務の中では、車に関する知識も必要になりそうですね。

[西島氏]車種に合わせて調整するので、トランスミッションの仕組みや各部品の持つ役割、自動車部品の知識、設計という仕事の進め方などをある程度理解している必要があったと思います。この辺りの知識がないと、図面を見て部品同士の接触の有無などは判断できないですからね。ここでの業務で新たにNXという3DCADを使うようになり、寸法の積み上げや交差検討など、図面を見て部品同士の接触を見極める知識を養うことができました。

これまでのキャリアに危機感を持ち、先輩、営業の力を借りて新しい配属先へ。

──自動車業界で経験を積み、設計領域の業務にシフトしましたが、ここからまた配属先を変えていますね。どのようなきっかけがあったのですか?

[西島氏]年齢が30歳に近付き、これまでの業務を振り返ったところ、図面を描く仕事の経験が少ないことに危機感を持ったのです。直ぐにメイテックフィルダーズの先輩エンジニアたちに、今後のキャリアについて相談することにしました。

──先輩エンジニアからはどんなアドバイスがありましたか?

[西島氏]皆さん親身に相談にのってくれて、「キャリアで悩んでいるなら早めに営業に相談して、図面が描ける仕事に配属してもらった方がいい」とアドバイスをもらいました。

そこで営業に相談すると直ぐに動いてくれて、私の希望である「図面を描ける業務」への配属が決定しました。営業がキャリアの悩みにすぐに応えて対応してくれたのは、本当に心強かったです。

──営業のフットワークが軽く、すぐに対応してくれるのは心強いですね。次はどんな業務に配属になったのでしょうか?

[西島氏]次の業務は複合機の冷却設計で、ダクト部分を担当しました。基本的には既存製品のカスタマイズ設計ですが、試験や評価、解析まで幅広く対応させてもらいました。

──新たに設計の技術を習得できるだけでなく、これまでの評価や試験の経験も生かせそうですね。

[西島氏]はい。設計の業務は勉強になりますし、未経験の試験業務にも携わることができました。ノイズは以前の業務でやったことがあるのですが、新たに温度上昇、振動、風速、騒音、エミッション試験などを経験することができました。また、Nastranを使った構造解析、Simcenterを使った熱流体解析も担当させてもらい、以前の解析業務の経験を生かすことができて嬉しかったですね。

──これまで経験した業務を生かせて、更に対応範囲が広がった仕事だったのですね。

[西島氏]そうですね。設計経験がないことが気になっていましたが、この業務で自分が色々な業務に対応できるようになっていたことに気付きました。今までの経験を惜しみなく使って対応できた業務だったと思います。

実はこの配属先も今年の9月で契約終了となり、新たに自動車関連部品の設計業務に就くことになりました。自分の希望である「図面を描く」仕事に配属してくれて、営業にはとても感謝しています。設計領域の仕事はまだまだ技術も経験も足りていないので、次の配属先でしっかりと経験を積み、お客様にも質の高いアウトプットを提供したいと思います。

メイテックフィルダーズという会社、派遣エンジニアという働き方の魅力とは?

──ここからは会社や働き方についてご意見を聞かせてください。まずは、ものづくりに関わる人には、どんなスキルや素養が必要だと思いますか?

[西島氏]これはエンジニアに限りませんが、業務は一人で完結するものではなく、誰かの承認を得たり、確認をしてもらったり人と関わり合いながら進めなければならないので、「周囲とコミュニケーション取る」ことが大事だと思います。

エンジニアに限って言えば、「考え続けること」が大切だと考えます。例えば、人から依頼を受けたとして、ただ言われた通りにこなして報告するだけでは、ロボットでもできますよね?そうではなく、「なぜこうなるのか?」「こうしたらどうか」と、常に疑問を持って考えながら仕事をすれば、自分がやりたいこともやれるし、何か新しい気付きが得られるかもしれません。それがエンジニアとしての成長につながるのではないでしょうか。

──メイテックフィルダーズという会社の魅力をどう考えていますか?

[西島氏]一つは、「横の繋がり」が強いことです。メイテックフィルダーズはエンジニア同士がつながり、お互いが支え合う風土があります。例えば、前半でお伝えしたエリアデザイナー制度の他にも自主的な委員会活動やイベントも活発で、エンジニア同士が集まって話をする機会がとても多いのです。エンジニア同士がつながる場が多く、気軽に悩みなどを相談できることが会社の魅力だと思いますね。

 また、営業の人との距離感も挙げられますね。距離感が近くて、何か相談すればすぐに動いてくれますし、キャリアの相談もしやすいです。一緒に自分のキャリアを考えてくれているのが分かるので、とても頼りにしています。

──派遣エンジニアという働き方の魅力を教えてください。

[西島氏]ずっと現場で設計業務を続けられるところです。お客様先の社員の方は、エンジニアであってもいずれ管理業務にシフトしていきますが、メイテックフィルダーズのエンジニアなら、ずっと現場で設計業務をすることができます。管理業務をやりたくない、好きなものづくりの仕事に関わっていたい、と考えている人にはとても合っている働き方だと思います。

もう一つ、1社で正社員として働きながら、複数の企業を経験できるのも良い点ですね。常に新しい刺激が受けられますし、メイテックフィルダーズは大手中堅企業約1,200社との取引実績があるので、新卒では入社できなかった大企業で働く機会もあります。そうした環境でお客様先の社員と一緒に仕事をすれば、エンジニアとしての成長にもつながると思います。

──ありがとうございます。最後に西島さんの今後の目標を教えてください。

[西島氏]これまで監視装置や複合機、自動車関連部品など、業界、製品にこだわらずに何でも挑戦してきましたが、今後のキャリアをどうするかに少し悩んでいます。色々な業務に挑戦すると広く浅い知識を得られますが、エンジニアとして一目置かれるためには、何か一つ専門領域を持つことも検討していきたいです。そして、エンジニアとして、お客様やメイテックフィルダーズの後輩から一目置かれ、人間性の面でも尊敬されるエンジニアになりたいですね。

また、冒頭で給与も大事にしているとお話しましたが、メイテックフィルダーズなら、自己学習で自分のスキルを高めつつ、お客様に質の高いアウトプットを提供し続けることで、給与を上げていくことが実現できるので、常に上を見て学習を続け、給与の向上も実現していきたいです。

関連情報

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メイテックフィルダーズ(キャリア採用サイト)

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