- 2023-11-6
- 技術ニュース, 機械系, 海外ニュース
- BLI(Boundary Layer Ingestion)ダクト, Droneliner, Wingmill, グリーン水素燃料, 抗力, 海上貨物, 無人輸送航空機, 燃料効率, 航空貨物, 貨物輸送
貨物業界向けソリューションを開発する英Dronelinerは、貨物輸送に使用する燃料を83%削減、航空貨物のコストを70%以上削減する無人輸送航空機「Droneliner」を発表した。
Dronelinerの設計方針は、燃料効率に重点を置いている。同機は、同等規模の有人航空機と比較して、機体重量は少なくとも40%軽量で、エンジンの配置方法と技術により燃料効率の面でも優位になる。操縦者等の搭乗がない分、貨物輸送に必要な燃料も少なくて済む。
既存の貨物用航空機は、50トンの貨物を積載した太平洋の横断で200トンの燃料を要するが、Dronelinerは50トンの燃料で200トンの貨物を輸送できる。航続距離は、6500海里(約1万2千km)だ。
同機は、通常であれば抗力を引き起こし、エネルギー消費につながる汚れた空気を、動力として利用する。翼端の「Wingmill」システムを使って電気エネルギーを蓄積する機構と、BLI(Boundary Layer Ingestion)ダクトで、胴体に沿った空気をエンジンに供給する機構だ。
Wingmillにより、飛行中に発生した電気エネルギーはバッテリーに蓄積され、飛行制御や地上での操縦に使用できる。BLIダクトは、エンジンの燃費向上に寄与するもので、潜在的に8~15%の効率改善が見込まれている。
同機の設計は、市場規模が拡大した時点で、グリーン水素燃料への完全転換も想定している。
同社は、Dronelinerが、航空貨物のコストを海上貨物と同等のレベルまで下げると同時に、配送時間の短縮と排出量の削減を達成すると見込んでいる。