全自動でバッテリーを分解・診断し、無駄なくアップサイクルするマシン

ルクセンブルクのスタートアップ企業Circu Li-ionは、使用済みバッテリーを分解・診断してアップサイクル(創造的再利用)する全自動アップサイクルマシンを開発した。

Circu Li-ion同社によると、欧州連合(EU)では2030年までに世界第2位のバッテリー需要が生じるという。バッテリーが必要になる要因としては、デジタルエコノミーの大成長、CO2排出量の少ない移動方法、再生可能エネルギーの広がりが挙げられている。しかし、増大するバッテリー需要に対応するために市場に出回るバッテリーの数を増やすことは、実行可能な選択肢ではない。CO2排出の大部分はバッテリー製造時に発生するためだ。

そこで同社が焦点を当てたのは、バッテリーにセカンドライフを与えるというアップサイクルの手法だ。これは、バッテリーの需要と供給のギャップを解決し、CO2を節約し、再利用によって回収される原材料の割合を最大化する方法だという。

現在Circu Li-ionは、開発した全自動アップサイクルマシンを用いて、マイクロモビリティ(超小型の電動移動手段)および電動工具プロバイダー向けのサービスと、リサイクル業者向けサービスを展開している。

マイクロモビリティおよび電動工具プロバイダー向けのサービスは、バッテリーのアップサイクルとなっている。全自動で、複数のセルからなるバッテリーパックをセルレベルまで分解し、各セルを個別に診断。再利用可能なバッテリーを選別し、回収する。セルの最大90%はまだ再利用可能だという。

リサイクル業者向けサービスでは、同社の全自動バッテリー解体システムにより、バッテリーパック全体をプラスチック、電子機器、セルに分離。材料としてリサイクルまたはアップサイクルできる状態にする。

Circu Li-ionを利用することで、バッテリーパック100個につき、15トンのCO2を節約できるという。また、従来のリサイクルと比較した場合、CO2の影響が48%少ないとしている。

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