- 2023-11-30
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- Anthony Rossi, Gulfstream Aerospace, Gulfstream G600, HEFA(Hydro processed Esters and Fatty Acids), Mark Burns, Pratt & Whitney(P&W)Canada, PW815GAエンジン, サステナビリティ, ビジネスジェット, 大西洋横断飛行, 持続可能な航空燃料(SAF), 脂肪酸エステル, 航空エンジン, 航空機
カナダの航空エンジンサプライヤーであるPratt & Whitney(P&W)Canadaと、航空機メーカーの米Gulfstream Aerospaceは、2023年11月20日、持続可能な航空燃料(SAF)を100%使用して、初の大西洋横断飛行に成功したと発表した。
飛行は2023年11月19日、機材としてP&W製のPW815GAエンジンを2基搭載したビジネスジェットGulfstream G600が用意され、SAF燃料を100%積載した。同機は、アメリカのジョージア州サバンナを出発し、イギリスのファーンバラまで飛行した。
使用したSAFは、主に廃食油や植物油などの脂肪酸エステルを水素化処理する「HEFA(Hydroprocessed Esters and Fatty Acids)」技術で製造された。その特徴は、化石由来のジェット燃料と比較して、ライフサイクルを通したCO2排出量が70%以上少ない点にある。
P&W Canadaのセールス&マーケティング担当副社長であるAnthony Rossi氏は、Gulfstreamのような機体メーカーとの協力は、SAFの互換性を確保する上で重要だと説明した。また、SAFの比率を100%とした運用への承認を受ける予定にも言及した。
Gulfstream側はMark Burns社長が、同社のG600は2019年に就航し、P&Wとともに実績を積んできたことを説明した。また、環境問題に配慮しつつ、サステナビリティの革新で業界をリードする意欲を語った。
今回の飛行成功は、航空業界におけるSAFのさらなる普及を促進し、環境への影響を考慮した技術開発への道を開くと期待されている。