- 2024-1-9
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- スキャフォールド, バイオマーカー, ヒドロキシルラジカル, 上海交通大学, 抗炎症性物質, 抗老化作用, 抗酸化作用, 水素療法, 活性酸素, 老化, 老化骨修復, 華東理工大学, 骨粗鬆症
上海交通大学、華東理工大学らは2023年11月23日、抗老化作用のある水素療法についての研究結果を発表した。高齢マウスでの実験において、骨の修復効果が実証されたという。
細胞やその周辺組織からなる微小環境の老化は、持続的な炎症や再生能力の喪失を引き起こし、高齢者においては細胞組織の修復の障害となる。骨粗鬆症やがんなど老化関連の疾患において、従来使用されてきた薬剤は効果が限定的であったり、副作用があることが課題だった。一方で水素分子は、細胞を酸化させ老化の原因となるヒドロキシルラジカルなどの活性酸素を選択的に除去する抗酸化作用を有し、安全で有効かつ汎用性のある抗炎症性物質であることが証明されているが、経口摂取など一般的な方法では、離れた患部に十分に行き届かないという問題があった。
研究チームは、局所的に水素を放出できる足場(スキャフォールド)を細胞に移植するという方法を試みた。この足場に含まれるナノ粒子の水素貯蔵力は水の4万6000倍で、水素を1週間、継続的に放出するよう設計されている。これを老化したマウスの骨の細胞に移植したところ、老化のバイオマーカーの発現を制御して老化の進行を緩和したばかりか、老化した幹細胞の再生能力の維持に貢献し、骨の修復を促進することがわかったという。
研究者らは今後、さらに強力な水素放出能力を持つ足場の開発や水素の作用メカニズムの解明、そしてさらなる臨床的確認が必要だとしながらも、局所的な水素供給が老化骨修復の促進に有利であると結論付けている。