自動運転のフォーミュラカーレースでバージニア大学が準優勝―――AIが自らルールを破るまさかの展開

Photo by John Chrosniak

バージニア大学は、2024年1月12日に行われた自動運転のフォーミュラカーレース「Indy Autonomous Challenge」の決勝に同大学のチーム「Cavalier Autonomous Racing(以下Cavalier)」が出場し、準優勝を果たしたと発表した。

Indy Autonomous Challengeは、AIドライバーをプログラムして完全自律型のレーシングカーを競わせる大学生向けのレース。完全自動運転車の商品化と先進運転支援システム (ADAS) の導入を加速化する技術の進歩を目的としており、学生たちがSTEMスキルを磨き、発揮するプラットフォームでもある。

Cavalierチームは2021年にアメリカ最速の自動運転レースカーを携えて出場したものの、海外チームのレベルにはかなわず、2022年はクラッシュに見舞われ、2023年はメカニックのセットアップと高速安定性の問題で涙を飲んだ。今大会はノーシードでの出場となったが、予選を順調に勝ち進み、トップシードで決勝を迎えた。

決勝の舞台となったラスベガス・モーター・スピードウェイで、Cavalierチームを迎え撃ったのは決勝出場の常連校であるミュンヘン工科大学のチームだ。決勝は2台の車が混走する「Head to Head」方式で、設定された速度の中で交互に追い抜きを行い、成功するごとに設定速度を上げていき、正常に追い抜きができなくなるまでスピードを競い合う。

予想外の展開は設定時速80マイル(約129km)の時に起こった。ミュンヘン工科大学のチームが追い抜く側となった際、Cavalierレーシングカーが時速120マイル(約193km)まで急加速し、相手の追い抜きを阻んだのだ。自律走行のアルゴリズムが自らルールを破ることを選んだまさかの展開にはチームも困惑したという。のちにCavalierは相手のレーシングカーと衝突しそうだと察知し、高速での回避操作を行ったと判明した。これは技術的には評価されるべき対応だったが、ルール上では失格となり優勝を逃した。

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