Windracersの自律型ドローン「ULTRA」、南極での学術調査向け試験を開始

Windracers & British Antarctic Survey

British Antarctic Survey(イギリス南極調査局)は2024年2月3日、Windracersの自律型ドローン「ULTRA」のテストチームが、南極のロセラ研究基地に到着したと発表した。

ULTRAは、南極のような極限環境用に設計された完全自律型のUAV(Unmanned Aerial Vehicle:無人航空機)だ。全長10mの双発固定翼機で、重量100kgの貨物または計測器類を最大1000km運べる。Distributed Avionicsが開発した自動操縦システム「Masterless」により、地上オペレーターの監視を最小限に抑えながら安全に離陸、飛行、着陸ができる。高度な冗長性を備えているため、エンジンやコンポーネントのひとつが損傷または故障しても飛行可能だ。故障した場合でも現場にて最小限の部品点数で修理できるように設計されている。

運用期間を集中せざるを得ない現状の有人航空機「DHC-6 Twin Otter」による調査と比較し、ULTRAは飛行時間と地理的範囲を劇的に拡大し、飛行時間あたりのCO2排出量も約90%削減できるという。さらにAIによる群制御システム「SWARM」により、複数の自律型ドローンを単一の統合システムとして展開することも可能だ。チームは、ULTRAのさまざまな科学機器用プラットフォームに対応する柔軟な構成を最大限に活用することで、導入後は航空調査の主要ツールとして利用できるだろうとしている。

関連情報

Pilotless plane test crew arrives in Antarctica – British Antarctic Survey

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