トポロジカル物質の音波を利用したトランジスタを提案 ハーバード大

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Credit: Hoffman Lab/Harvard SEAS

非散逸な電子伝導が現れるトポロジカル物質は、高効率な電子部品の開発に有望な材料だと期待されている。特に、電子部品の基礎であるトランジスタの材料として関心が高まっている。しかし、電子伝導をオン/オフ切り替えられるトランジスタに対し、トポロジカル物質の非散逸な伝導をオフ状態にするのが課題となっていた。

そこでハーバード大学の研究チームが、電子でなく音波を利用したトポロジカル音波トランジスタを設計し、シミュレーションした。そして、音の流れでオン/オフ切り替えができる汎用的な論理ゲート構造を提案した。

この研究は2022年1月5日、『Physical Review Letters』誌に掲載された。

音波を利用することにより、トポロジカル絶縁体に関する複雑な量子力学を回避することができる。音波の方程式は厳密に解けたため、温めるとオンし、冷やすとオフするようなトポロジカル音波導波管に必要な材料の最適な組み合わせを、計算で探索可能となる。

最初に研究チームは、トポロジカル音波トランジスタに高熱膨張プレートに固定した鋼柱のハニカム格子を封止して用いた。格子の半分の柱はわずかに大きく、もう半分の柱はわずかに小さい。柱の大きさと間隔の違いが、格子のトポロジーを決定する。

次に研究チームは、超音波を熱に変換するデバイスを設計した。熱は柱を膨張させ、導波管のトポロジーを変化させる。2つのデバイスを結合すると、従来のトランジスタの伝導電子が他のトランジスタを切り替えられるのと同様に、1つの音波導波管の出力で次の音波導波管の状態を制御できる。

「今回用いた材料では、トポロジカルトランジスタを作ることはできませんでしたが、われわれの設計プロセスは、フォトニック結晶に適用可能であり、将来トポロジカルトランジスタの設計指針となるでしょう」とハーバード大学のJenny Hoffman教授は述べた。

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