タッチすることでデジタルトランザクションが可能なウェアラブルデバイスを考案

米パデュー大学の研究者らは、人体を伝送路として使いコンピューターと通信する技術「BodyWire-HCI」を考案し、科学ジャーナル『ACM Transactions on Computer-Human Interaction (TOCHI) 』に発表した。BodyWire-HCIは、人間が触れた指などを介する接触型の通信。Bluetoothのような無線通信と異なり、盗聴される心配が少なく、機密性の高い情報の転送に向いているという。

BodyWire-HCIは、パデュー大学が2019年に発表した「EQS-HBC」と呼ばれる通信技術をベースにしている。EQS-HBCは、低周波数の無搬送波ブロードバンド伝送方式を用いた通信技術。埋め込み型医療機器を無線通信によるハッキングから守るため、医療機器を身につけている人の身体そのものを通信媒体として利用するものだ。EQS-HBCを使えば、ペースメーカーその他の医療機器からの情報は使用者から数cmの距離までしか届かないという。

パデュー大学はリストバンド型のプロトタイプを作成し、通信の秘匿性、分離性などを実証すると共に、コンピューターのロックなどのアプリケーションを紹介している。

BodyWire-HCIの用途は、ドアの解錠、スマートデバイスのペアリングなどの認証型アプリケーションの他、ペイメント、イメージ、医療データおよび個人情報の転送などが考えられている。

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BodyWire-HCI: Enabling New Interaction Modalities by Communicating Strictly During Touch Using Electro-Quasistatic Human Body Communication

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