トポロジカル半金属において、強誘電的構造相転移と超伝導転移を有する超伝導材料の合成に成功 大阪大学ら

大阪大学と名古屋大学、岡山大学の研究グループは2024年1月5日、ストロンチウム(Sr)と金(Au)、ビスマス(Bi)を合成したトポロジカル半金属において、強誘電相転移に似た極性―非極性構造相転移と超伝導の両方が実現することを発見したと発表した。研究グループは量子コンピュータのための超伝導素子など、革新的電子デバイスへの応用が期待できる発見だとしている。研究成果は2023年12月20日、英文誌npj Quantum Materialsに掲載された。

研究グループは、SrとAu、Biからなる半金属SrAuBiの単結晶合成に成功し、214Kでの極性―非極性構造相転移と2.4Kでの超伝導転移を観測した。SrAuBiは、Sr2+からなる三角格子層とAu-Biからなるハニカム格子が積層した構造を持ち、214K以下でハニカム格子層が歪むことで、空間反転対称性が破れた極性構造となる。

また、外部磁場を面内と面間方向に印加した場合での超伝導転移温度の変化を、0.2K付近の極低温まで測定したところ、面間磁場において従来型の超伝導体で期待されるパウリ極限を超える5Tの超伝導臨界磁場が実現することを確認した。

さらに、臨界電流の結晶厚み依存性が、バルク超伝導の振る舞いを逸脱しており、表面超伝導の存在が示唆されたことなどから、パウリ極限を超える臨界磁場は、トポロジカル表面状態での超伝導である可能性や、強いスピン軌道相互作用に起因したラシュバ型のバンド構造を反映した可能性がある。

研究グループは「SrAuBiは新しい磁場応答を示す超伝導スピントロニクスとしての可能性を秘めている」とし、極性構造に由来したトポロジカル超伝導の実現や、量子コンピュータ素子への応用に期待を寄せている。

関連情報

\量子コンピュータ素子等への展開も期待できる新材料の発見/ 強誘電的構造相転移と奇妙な超伝導転移を有するトポロジカル半金属 – 名古屋大学研究成果情報

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