- 2024-3-28
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- DIII-D国立核融合施設, Nature, ティアリングモード不安定性, プラズマ不安定性, プリンストン大学, 人工知能(AI), 核融合反応, 核融合炉, 超高温プラズマ
プリンストン大学は2024年2月21日、超高温プラズマが突然安定生を失って核融合炉の磁場から逃げ出す問題を、人工知能(AI)を活用してリアルタイムで予測/回避することに成功したと発表した。
核融合反応を引き起こすには1億℃を超える超高温のプラズマを使用し、強力な磁場を使ってドーナツ型の核融合炉内に閉じ込めておく。しかし、超高温プラズマは瞬く間に安定性を失い、磁場から逃げ出すことがある。するとプラズマの磁力線が裂けてバランスが崩れ、核融合反応が終わってしまう。この現象は、核融合炉を開発する上で大きな課題となっていた。
同大学を拠点とする研究チームは、カリフォルニア州サンディエゴにあるDIII-D国立核融合施設での実験で、過去の実験データだけで訓練したモデルによって、ティアリングモード不安定性と呼ばれる潜在的なプラズマ不安定性を、300ミリ秒先まで予測できることを実証した。ごく短い時間だが、AIで制御すればその時間内に特定の運転パラメーターを変更して、プラズマの不安定性を避けることができるという。
この研究成果は、2024年2月21日付の『Nature』に掲載されている。