水中波力発電システム「CETO」、設置計画の審査に合格――スペインの海域で運用へ

海洋エネルギー技術を開発する豪Carnegie Clean Energy(CCE)は、2024年4月17日、子会社のCETO Wave Energy Irelandが、欧州の波力発電技術開発プログラム「EuropeWave PCP」において、推進を許可するマイルストーン「ATP: Authorisation to Proceed」に合格したと発表した。

このATPマイルストーンの合格により、EuropeWave の調達専門グループが、技術的および商業的な成果物を精査し、プロジェクトが次の段階に移行するための準備を完了した。ATPの達成により、プロジェクトは調達の段階へと移行する。

今回、EuropeWaveの一環として実施される「ACHIEVE」プロジェクトは、スペインのバスク地方の海域に波力発電システム「CETO」の設置を支援するもので、契約費用は375万ユーロ(約6億3600万円)だ。

CETOの技術は、海面下数メートルにブイを沈めて、波の力から生じる軌道運動を利用する、ゼロエミッション発電の能力だ。水中で動作するため嵐に強いほか、海洋生物との共存にも適している。同技術は、人工的に波を起こす試験水槽で10年以上、海洋では数万時間にわたる試験の実績がある。

CCEはこの波力発電について、人工知能、電気技術、機械技術を組み合わせた、効率的な発電方法だと説明している。同社はACHIEVEプロジェクトのなかで、2025年からCETOのプロトタイプをバスク海洋エネルギープラットフォーム(BiMEP:Biscay Marine Energy Platform)に配備し、運用する。

本プロジェクトで、CETOの発電システムは、洋上のサイトで2年間運用される予定だ。収集したデータからCETOの性能を検証し、商用化に向けて前進する。

関連情報

ACHIEVE passes EuropeWave Authorisation to Proceed Milestone – Carnegie
CETO Technology – Carnegie

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