PwC、2024年にAIがビジネスにもたらす影響を予測

英PricewaterhouseCoopers(PwC)が2024年のAIビジネスに関する予測を発表した。AIがビジネスのやり方を根本的に変え始めると予想しており、特に生成AIの影響が大きいとしている。

同社が2023年に実施した調査によると、アメリカの企業の73%がすでにビジネスの少なくとも一部の分野でAIを導入しており、生成AIについては、ChatGPTが市場に出てからわずか1年で調査対象となった企業の半数以上(54%)がビジネスに取り入れている。生成AIの登場によりAIは飛躍的にアクセスしやすく、かつスケーラブルになった。PwCは2024年末までにAIは幅広い職種でこれまでと違う仕事のやり方を実現してくれるようになると予想し、これに伴う主なトレンドとして次の6つを挙げている:

1. 適切なAIの選択が企業に大きな優位性を
生成AIは一見使いやすそうに見えるが、最大限に活用するにはニーズに合せたカスタマイズや優先順位付けが必要になる。AI導入により仕事のやり方を再考するインセンティブを従業員に提供することも重要だ。

2. 生成AIは従業員だけでなくリーダーの仕事も再定義
経営幹部は今後、AIを活用した業務と組織運営を推進する必要があるが、両方の知識を持つリーダーは少ない。このギャップを埋めることが重要になるだろう。

3. AIの信頼性が正念場
AIの信ぴょう性や犯罪に利用される可能性はかねてからの懸念事項だ。PwCは安全で信頼できるAIの構築に組織的に取り組む「責任あるAI」の重要性を強調している。

4. 生成AIがデータの「ミッシングリンク」に
AIが処理できるデータは膨大だが、アクセスできることが大前提だ。データのデジタル化やクラウド化を進める必要がある。

5. 生成AIが「変革を変革」
クラウドと生成AIにより、これまでにない形でビジネスの変革が進むだろう。 例えば企業向けのアプリケーションをクラウドに移行すれば、カスタマイズされた生成AIとアプリケーション自体が変化するニーズに合せて進化していく。これまでのようなアップグレードは必要なくなるかもしれない。アウトソーシングやオフショアは減少すると予想される。

6. 生成AIが新しいサービスや製品を創出
生成AIにより、ノーコードで実行可能な仕事は増えている。拡張現実デバイスやIoTネットワーク、機械学習プロセスなどはまもなく生成AIに依存するようになるだろう。

関連情報

2024 AI Business Predictions: PwC

関連記事

アーカイブ

fabcross
meitec
next
メルマガ登録
ページ上部へ戻る