二酸化炭素をほぼ100%の効率でクリーン燃料に変える安価な方法

米シカゴ大学の研究チームが、安価で豊富に存在する亜鉛触媒を使用し、ほぼ100%の効率で二酸化炭素(CO2)をクリーン燃料や有用化学物質に変換する方法を開発した。同技術は、温室効果ガスの排出を削減するクリーンなエネルギーループを作り出し、気候変動問題の解決策を提供するという。同研究成果は2024年5月24日、「Nature Catalysis」誌に掲載された。

CO2の電気化学還元反応は、再生可能エネルギーの電力により、有機溶媒に溶解したCO2を化学物質の原料である一酸化炭素(CO)に変換できる。

しかし、CO2還元反応は、溶媒中の少量の水を介して、競合する水素発生反応によってしばしば阻害される。また、不純物として生成する炭酸塩が、COの生成効率を下げる原因となっている。

研究チームは、有機溶媒に酸添加剤を使用し、競合反応を支配する水分子を操作してCO2還元効率を上げる方法を発見した。溶媒中の強い水素結合ネットワーク内に水を閉じ込め、CO2還元の競合反応を抑制できることを示した。

同研究では、金触媒を使用し、3Mという高濃度の水が含まれていても、ほぼ100%のCO生成効率を達成した。さらに、弱酸性条件下で、土に豊富に含まれる亜鉛触媒を使用し、長期間にわたって炭酸塩による損失を生じることなく、CO生成効率の維持に成功した。

同研究論文の筆頭著者であるReggie Gomes氏は、「研究目的において、白金や銀、金は、非常に安定な材料であり、優れた触媒です。しかし、産業用途として考えると、莫大な費用がかかってしまいます」と説明した。

同手法は、地球上に豊富に存在する亜鉛の使用により、産業用途で費用対効果を高め、世界的な炭素回収/貯留市場の成長に貢献する可能性があるという。CO2を使用可能燃料に変換するクリーンなエネルギーループを作り出して温室効果ガスの排出を削減し、地球温暖化の影響を緩和するための有望な解決策を提供できると期待される。

関連情報

Controlling water, transforming greenhouse gases | Pritzker School of Molecular Engineering | The University of Chicago
Modulating water hydrogen bonding within a non-aqueous environment controls its reactivity in electrochemical transformations | Nature Catalysis

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